今日のテーマは、
❶凍結が出来なかった方や、 ❷転院希望の方が初診に出すsummary(概略)を書くPOINT
先日・・ 少し健康的なキッチンにしようと思って ジュース・ミキサーを買いました。
健康診断のdataというは、バカにならないものでして、「行間」を読むと色々と浮かびあがってきます。
今までとは違った生活習慣を、普段に生活に組み込むという事は、
今迄の「流れ」を変えるという意味では大切かと。
ただ それは自分では、慣れ過ぎていて・・わからないという点(=ピン)がもどかしいと思います。
また 私は患者さんが転院する時など、転院先のDrに向けての書類を作ることが多いのですが、
それぞれの先生の思考に合わせて、パターンを変えています。
事前にその書類・・summary(概要)を作ります。
患者さんの今までの治療歴(ネットで共有しているExcel)を、見ながらまずは本人にラフ案でいいので
書いてもらっています。
・現状のsummary
延々と自分の治療歴史を書いても・・pointが絞られていないとDrは読んでくれません。
「じゃあ とりあえず うちのやり方でやってみましょう」
とZEROからのスタートをするのは無駄です。
・そのクリニックにきた動機と 何をしてもらいたいか?
・今までの治療で(自分で)気が付いた点、 それを改善してほしい旨。
これらを三段構成にして・・A4用紙1枚から多くても2枚にまとめられるように
今度は、患者さんと「赤ペン」を入れてゆきます。
そうすると・・何がおこるか?というと。
今まで本人が 気づかなかったセンターピンが見えてきます。
例えば 毎回 胚盤胞にならずに、初期胚での凍結基準にも満たずにセレクション(淘汰)に
かけられて 採卵全滅! それは もう年齢因子だから仕方ないと言われた人がいると
しますね。
大抵の方は、先生がいうのだから そうなのだろう!と疑問も持たずに飲みこんでしまうと思います。
■ 結果から時系列で登っていくのが 分析する王道です。
・ 分割杯の分割停止
↓
・ 受精から2分割、4分割、そして3分割の通過
タイムラプスdataを持っている方は、既にDoctorのcommentや
培養士commentも持っている方が少なくないです。
・受精方法の選択と 受精option( スパムセパレーター、卵子活性化処理等)
↓
・ 採卵日( 穿刺前の採血がある方はなおよし)
↓
・ triggerからの LHサージ/ FSHサージ そして E2の落下スピード
↓
・ triggerの種類 そしてタイミング
アクセルとブレーキの調整具合
↓
・ 卵胞のフェーズが切り替わる瞬間での ギヤチェンジ!(薬剤変更)
その時の アクセルとブレーキの入れ具合が 本人の今のCYCLEに合っているか?
↓
・ CD3の数値とAFCから・・ 刺激を開始するセットアップの適正さ [ホジションA]
ここまで中に センターピンが存在しています。
ホルモン値はstock値ですので、それを取ってから どう動いていくか?
ホルモンの傾斜の見極めの上手なDrは 確かにいます。
年齢が高い方ほど・・ 失敗する時間がないので
自分のセンターピンがどこに立っているのか?知る必要があると思います。
★なお なかなか卵胞が出現しない方は・・
このCD3の [ホジションA]の前(生理前)での LHとFSHの傾斜が重要になります。
これは また別の記事で書きたいと思います。
このゾーンがPIOARTのホーム・ゾーンだからです。
【シュミレーション】
仮りにそのセンターピンが分かったとしましょう。
summaryも書けた、 問診票も分かりやすく色ペンも入れて メリハリもつけた。
それだけではダメです。
書いたものを、相手(=Dr)が必ず読んでくれると思うは、書いた人の傲慢ですから。
その紙を見ながら、まるでカンペンのようにして
患者さんが doctorとそれを基に 有意義な初診相談ができるように
話の持って行き方が大事です。
「(先生の反応をみながら) ここをしゃべらずに スルーしておいた方がいいな」とか
「(ここに食付くんだ) じゃあ もう少し ホルモン値の動きを別紙のメモで見せながら
少し 話そうかな?」
とか色々の 思考が 患者さんの頭に中でうごめくはずです。
【初回内診POINT】
段取りがすべてです。
全部を話す必要はない。 summaryがあるから。
今までの自分の歴史を語らないこと。(どんだけ治療で苦労してきたか?を)
資料をみながら 今後の未来(治療方針のアウトライン)をざっくりと
そのDoctorと決めること。
細かいところはいいんです。 次にあった時、もしくはその次でも。
センターピンが立っている時に 詳しく話せばいいんです。
【ART(体外)における・・センターピン理論とは】
ボウリングにたとえれば、ストライクを取るためにはセンターピン、
つまり一番手前にある真ん中のピンを外してはいけない。
センターピンに当ててこそ、ストライクが取れるのです。
これは「センターピン理論」と呼ばれていいます。
特に ART(体外)では周期によって ホルモンの反応が違うつまり
FSHやLHの傾斜が違うので
それぞれのclinic独特の誘発方法、移植protocolで センターピンがずれる周期も
あると思います。
センターピン理論をしっかりと ARTに持ち込むためのコツは
それに縛られないということも大事です。
傾斜が違うから 仮のセンターピンにボーリングのボールを当てにいくときに
臨機応変になるように 先生と有意義な会話をするように私は 随時アドバイスを
しています。
|まとめ|
センターピン理論は なにも新しい理論ではないですが
失敗した人が見つけられる魔法のピンです。
また 同じようにボールをなげて 多大なるoptionを組んでやって体外の成績が
ガーターにでもなるともう立ち直れないと思います。
もう一度言います。
結果から時系列で登っていくのが 分析する王道です。傾斜をイメージしながら。
自分の失敗から学べる人は・・最後は絶対に勝ちます。
そういう患者さんたちをたくさんみてきました。
皆さん 頑張ってください。
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