卵質を低下させない為に

 

     卵質をあげたい方は多いです。卵質は刺激方法や培養環境にも大きく左右されますし・・

     染色体異常の卵を出来るだけ排除したいというPGTーA(着床前診断)の考えも、よく理解できます。

     

 

     卵質を上げる為に「引き算」を実施してはどうでしょうか?!

     卵質を確実にさげる生活環境・食生活を回避することからSTARTしてゆくこと。

 

ー卵質を下げない為の知識《サイエンス》は4つー

     ① 環境ホルモンのリスクを知ること。 ⇒ トリクロサン

     ② 薬の効かないカラダを作らないこと。 ⇒ 腸肝循環の不具合

     ③ 誘発方法・培養方法で正常胚の獲得率は変わることを知ること

     ④ プロコトル(治療の手順)に自分も関心を持つこと。

 

     【追加点】 良かれと思ったサプリメントが、逆に足を引っ張ることもある。「ミトコンドリア経由の活性酸素」

 

     これらの4つは、全部影響し合っています。

 

     例えば、④をわかっていないと・・②の変化において自分が気がつかないということになり、時間のロスにつながります。

     また、④はネット情報ではつかみにくいです。

 

     他の人が上手くいったケースが、自分にも当てはまる、当てはまりたいという気持ちを強くしすぎたり

     逆に、情報過多で自分からそれを避けたりとなると、また時間のロスになりかねないです。

     


①環境ホルモンのリスクを知ること。

 

不妊治療をしている患者さんは、どうしても目先のことに関心が行きがちです。

 最新の医療知識や情報など・・ に貪欲だと思います。

 

何を摂取すれば、卵質にいいのか?!そこにエネルギーが集中しガチですが、何を生活の中から外した方が「卵質にいいののか?」

そこを考えることがとても大事だと思います。

 

 そして、大切なのは赤ちゃんの胎嚢が見えたら、そこ辺りでシャンプーとか石鹸とか気を配る方は多いですが

胎嚢が見えた時は、もう既に「胎盤形成ができた時」です。

それでは、正直 遅すぎるのでもう少し前からトリクロサンなどの「環境ホルモン」を意識すべきだと思います

 

 母として責任をもって、リスクがないように整えてあげることが良い卵子を得る為には必要です。

 

2016の秋・・・あれから2年たちました。

 

「トリクロサンなどの 抗菌剤に含まれる有害物質」がアメリカで全面禁止になる発表が全世界を駆け巡った日から。

 

 

 環境ホルモンは、ホルモン撹乱物質とか内分泌撹乱物質とは呼ばれます。

 それは、大腸から小腸・・そして子宮内膜へと動いてゆくことは、本当に容易に考えられます。

他の重金属が子宮に溜まりやすいのと同じです。(後述)

  

 

トリクロサンの4つのリスク

 

カラダの中のあるホルモンととても似た形をして、カラダ(脳の視床下部)を騙して、すっと「ホルモン受容体」の中にすっとぼけて

入ってゆき・・DNAの転写を通じてよからぬタンパク質を作ってゆく輩です。

 

DNAの転写でタンパク質をつくるには、ホルモンとホルモン受容体がカチッと合体してから動いてゆくのですが

それはホルモン様物質の形こそしているのですが、それはホルモンでない! だから怖いのです。

 

   

 

   

 

 

 

1) 腸内環境 腸内フローラの多様性そのものを破壊するリスク

 

   トリクロサンの殺菌力がビフィズス菌・乳酸菌など腸内の善玉菌まで殺してしまい、腸内フローラの多様性を破壊してしまうことにある

 ことが伝えられていますが、着床の為には子宮内膜が乳酸桿菌フルであることを考えて欲しいです。

 

          ⇒ 「腸肝循環の乱れ」については後述しています。

 

2)抗生物質が効かなくなるリスク

 

 子宮内膜の炎症を抑える抗生物質が効かなくなるということ。

 着床期の子宮内膜はP4よる前脱落膜化が実現していないといけないのですが、

 着床の為に子宮収縮を抑える自然のメカニズムがありますが、子宮内膜の炎症をおさえる抗生物質が効かなくなる。

 それは、とても怖いことです。

 

3)甲状腺ホルモンの値を低下させるリスク

 

  トリクロサンは、甲状腺機能低下症からの流産リスクと胎児への知能への関係が言われていること。

  最初は他の哺乳類でそれを認められたが、最近になってヒトとの関連性が指摘された。

  

 

 

 

着床は、胎盤形成のスタートでもあるので、そうしたマイナスになるようなリスクは

  日常生活の何気ない行動を見直すことで・・リスクヘッジできると思います。

 

 

4)  遺伝の話!  エピジェネティクスへの影響    

                                  

  (3)での影響は、エピ・ジェネティック的にも多いに関係があるので

   排卵近辺や、受精近辺などの染色体の交換がナーバスになる時期(=染色体異常の発生頻度)を考えると

   受精卵を作る前の採卵の段階から・・しっかりリスクヘッジをしてゆくのがいいと思います。

 

     ↓

 

  染色体異常が起こりやすい時期は、次の2時期です。

 

    ① 排卵の直前(卵子の成熟の頃です。GV期卵がMⅡ期卵に成就する時

 

    ② 受精する時

 

   この過程によって受精卵は、何にでもなれる万能細胞になります。

   もちろん、受精卵や卵子にはDNA修復機能がありますが・・染色体の交換エラーが非常に出やすい時期はこの①と②です。

 

   

 

  


②薬の効かないカラダを作らないこと。

染色体を攻撃する活性酸素を防ぐ為に、卵子の細胞内のミトコンドリアのATP産生に注目しがちですが・・ミトコンドリアは

同時に、活性酸素も産生しています。その為、このバランスをしっかりと捉えることが大事です。

例えば、E2はアンドロゲン(男性ホルモン)から作られますが、男性ホルモンの過剰は活性酸素も増大させるので肝臓の代謝を

整えることは重要です。

 

また、不妊治療には「薬」、「医療サプリメント」やカラダに良い栄養素」は大事ですが

その吸収を良くする為に、「腸肝循環の乱れ」を作り出さないようにすべきです。

 

 

 「腸肝循環」とは・・?」

 

A:生体物質や薬物などが胆汁とともに胆管を経て十二指腸に分泌され、

 腸管から再び吸収されて門脈を経て肝臓に戻るサイクルです。

 

 ビタミンD3、ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6などの各種サプリメントの吸収や

 

 不妊治療では欠かせないE2製剤(エストロゲン製剤)の吸収率にも大きく作用します。

 

 【腸肝循環の乱れ】

 

                  薬✕薬には飲み合わせがあります。E2製剤の代謝酵素が、他の抗生物質のそれとかぶったりして

                  代謝酵素の阻害や誘導が原因で 薬が効かなかったり効きすぎたりします。

 

                  薬だけでなく、食べ物もそうです。 薬✕食べ物の組合せも存在います。例:グレープフルーツ

                  

                  抗生物質もそうですが、腸内細菌叢に変化があったりすると腸肝循環に乱れがおこり、

                  薬物効果の持続性に影響がでてくる。 腸と肝臓を整える重要性がここにあります。

  

 

    アトピー(Th1<Th2)の原因になる「リーキーガット症候群(LGS)」=腸漏れ症候群 

   など、内服が効かなくなり、E2製剤やP4製剤の吸収率のロスになる上に・・

   栄養摂取もロスになります。

   LGSは代替医療の俗称であり、要は「消化管カンジダ症(腸カンジダ)」です。

               

   着床時の子宮内膜の「乳酸菌」の大量暴露も 上手く回らなくなります。

            リーキーガットとは、Leaky (=漏れている)+ Gut( 消化器官、腸)のことです。

            腸の炎症を抑えたり、胃の消化酵素を整えたりすることが大事になります。

 

        消化管カンジダ症(腸カンジダ)    
       消化管カンジダ症(腸カンジダ)    

腸管の上皮は、食事由来で腸に入り込んでくる細菌やウイルス、そして腸内の悪玉菌が産生する有害物質などが

血液中に入らないようにするガード機能を有しますが、

この機能が低下すると(透過性亢進)、細菌や腸内の有害物質が腸管から血液中に侵入し、炎症の原因となったりします。

 

 

 

 

1)薬(E2製剤・P4製剤など)を飲んでも・・効いたつもりだったり、数値への反応が少なくなったり、逆に高すぎたりする。

 

2)医療サプリメントを飲んでも・・・効いたつもりだけで 結果がついてこない。

 

3)考えられた栄養素を含んだ食事をとっても・・脂質代謝や糖代謝のスコアが改善されていない。

 

 

    ※ 肝臓の代謝メカニズム「脂質代謝、糖代謝など」は 脂肪細胞と関連が深く性ホルモンの産生に関わってくるので

      PCO・PCOSのページで詳細に説明します。

           ↑ リンクあり

 

 

 

 E2製剤やP4製剤で内服のものは・・

 

 肝臓経由で全身の血液を回るので・・腸でのロスが多いと

 

 飲んだつもり、効いたつもりになってしまうので

 

 腸を整えることは大事です。


③誘発方法・培養方法で正常胚の獲得率は変わる

 

  【年齢の高い方は特に・・】

  連続採卵が続く時は、前周期の影響が出る方もいます。

 

  採卵・移植そしてその前周期は、

  すべて繋がっています。

  卵質は、単一周期で決まりません。

 

  連続性を持って考える必要性があります。

 

        

 

 正倍数の染色体(染色体が1本すくないとか1本多いという染色体の数的異常のないもの)は、クリニックの誘発方法や

 培養環境で変化します。

 

 受精卵には見た目だけの「良好胚」も、

 PGT-Aでバイオプシーをして「正常胚」「異常胚」「モザイク胚(HIGH・LOWリスク)」と判明してしまいます。

 それが確実に姙娠できるかはまた別の問題(バイオプシー・ダメージ等)がありますが。判明するのは事実です。

 

 誘発方法で変わります。同じ誘発方法でも、排卵抑制のタイミングでも変わって来てしまいます。

 

 その為に、クリニックの選択は本当に大事になります。

 日本は海外のようにPGT-Aがルーティンになっている国ではないので そこはブラックボックスでわかりにくいと思いますが

 

 実際にPGT-Aをしている方や海外でPGT-Aを絡めた採卵をしたことがある方などは、誘発方法によって「染色体異常」が変わることを

 肌で知っています。

 

 

 最先端の医療が、必ずしも患者さん自身のカラダに「最適である」という保証はないので、自分に合う誘発方法をしてくれる

 主治医との出会いがとても大切になります。

 

 


治療をしていると・・うっかり忘れてしまうこと

 

  体外受精は、今週期において最大の結果を出すことを目標にしており、短期決戦が前提になっています。

 

  採卵プランニング・移植プランニング・調整プランニングと薬が投与されます。 

 

  そして、投薬周期が半年・・そして1年と長引いてくることを想定はしていないので、生

  理周期が連続していることを忘れないでください。

  ホルモンは、薬剤による外因性のホルモンと、本来の自分の体から出る内因性のホルモンがあります。

  そしてホルモンだけは作用しません。 ホルモン凸は、そのホルモン受容体凹と結合して始めてmRNAによる転写がスタートして

  生理活性が生まれます。

 

  その為に自分のカラダを整えることが非常に大切になってきます。

 

 上記のイラストにようにすべてつながっています。

  


④プロコトル(治療の手順)に自分も関心を持つこと

 ここの知識(サイエンス)は、難しいので医師の言葉を自分でも調べて、それを医師にまた確認するとかステップを踏むのが

 一番です。 プロコトルに関心が持たないと・・質問することもわからなくなります。

 

 ネットでみた他の人の成功プロコトルではなく、自分にあてはめて考えないといけません。

 1)頭でっかちになって、自分の意見に固執したりすること。

 2)また、必要以上にリスクをさけて、本来自分に合っているプロコトルを遠ざけたりすること。 

 

  この2つは同じです。

 

 治療をよく知っている専門家等に相談するのが一番です。 そしてそれをまた医師に確認する。

 そうした地味な努力をコツコツをしてゆくと、医師から最高の医療を引き出すことが出来ます。


補足事項

良かれと思ったサプリメントが足を引っ張ることもある。

ミトコンドリアのATP産生と活性酸素の製造

細胞死を司るミトコンドリアDNA
↑ 当該ページへリンク有   CLICK

初期胚の期間と3日目から胚盤胞になる期間のエネルギーは

違いますが、ミトコンドリアは、エネルギー(ATP)を作ります。

 

 ☑ 分割が止まってしまった

 

 ☑ 受精出来ない

 

 ☑ 胚盤胞にならない

 

 

 答えは、ミトコンドリアのマトリックス(黄緑部分)の

     クエン酸回路の中にあります。

 

 

「やみくもに、サプリをとらないって大事なのよね」

「排卵した卵子が、一気にミトコンドリアDNA数を落とすには

  理由があるのよ」

卵質の良い卵を採卵したいと考えた時に・・

 

「ミトコンドリア」を考える方は多いです。  イラストのようにミトコンドリアはDNAを持っています。

 

 採卵・受精した後に完成する胚(=受精卵)もその分裂の為のエネルギーは、ミトコンドリアから供給されます。

同時に、「クエン酸回路」からは活性酸素も製造している。

 

細胞死(アポトーシス)に導く時限爆弾のスイッチすらも管理

しているのがミトコンドリアDNA。

 

 ミトコンドリアが古代共生バクテリアの末裔として

今でも核と対等に渡り合い、予想を越えて、細胞の増殖にまで深く関わることが明らかにされています。

 

ミトコンドリアDNAは、核DNAはに細胞の増殖のサインを送り、また細胞死も司っています。

 

⇒ ミトコンドリアDNAは、

  核DNA(卵子経由のDNAや精子経由のDNA)を

  コントロールしている。

 

        ★  ★  ★

 

① 詳しくは、こちらをご覧下さい。

      ↑「細胞死(アポトーシス)を司るミトコンドリア」

 

 

② 良い卵子と悪い卵子の違いを知りたい方は

     こちらのページもご覧下さい。

      ↑ 「卵子の質と染色体」

 


「卵子の質と染色体」 着床前診断 PGT-A 反復流産と反復不成功の方へ
「卵子の質と染色体」のページへリンク有り ↑ CLICK