空胞・変性卵の5つ原因と対策


採卵した卵子回りの細胞は、 卵子+卵丘細胞+顆粒膜細胞の構成になっています。

   凹は、小さなディッシュ(=シャーレ)になります。

 

   空胞は、うまく卵巣の中の卵胞から「顆粒膜細胞(YELLOWの部分)」が剥がれないと、空胞(中身がない)になります。

 

 

 

顆粒膜細胞に包まれた卵子
顆粒膜細胞に包まれた卵子

 

 

顆粒膜細胞がCOC(=卵・卵丘細胞複合体)を覆っているので、

   

上からみるとキラキラと輝きながら顆粒膜細胞が広がりをみせています。

 

  

 

【イラスト左:IVF】

          顆粒膜細胞 + COC(卵子+卵母細胞)

 

          この状態でフリカケ(=IVF)が実施されます。精子の量がある程度なければ受精はしません。

          運動力もあり染色体異常のない優秀な精子が一匹や数匹いるだけでは受精はしません。

          競争社会が卵子の回りに起こってからでないと中に入れません。

 

          ※異常受精もIVFでは「多精子受精」が原因で3PNになったりします。

 

【イラスト右ーICSI】

           なし   + COC(卵子+卵母細胞)

 

          顆粒膜細胞を、ヒアルロニダーゼをつかって剥がし、COCの状態にしてからICSI(顕微授精)が実施されます。

          卵活性化は、そのICSIの前に処理を施します。

    

          卵活性化処理も、「カルシウムイオノフォア」や「塩化ストロンチウム」など色々な方法があります。

          受精障害が疑われる場合に施される処置です。 

          古典的な処置が功を奏する場合もあります。 その為に主治医の先生とよく相談することが大切になります。

 

          ※たった一匹しか入れないICSIでも、異常受精は発生はします。第二極体の放出不全などが原因です。

 

 

   良い卵は、COCの層が程よくあり、膨潤さ(=厚みがある)があります。

   COCは、卵+卵丘細胞の構成になっており、卵丘細胞がまるで「乳母」のように卵子に栄養を与え、そして卵子からの

   不要な物質を取り除いて、お世話をしています。  詳しくは、こちらをご覧下さい。

                                 ↑ 「卵子の質と染色体」

                               

   

 

   


空胞にならない為の医療側の工夫

【採卵時の医療サイドの工夫①】

 

   空胞にならないように、採卵の際の吸引する針の口径を大きいものにしたり、吸引力を微調整したり、卵胞洗浄をしたりと

   医療側は工夫をしています。見えない努力をしています。

   採卵針も、太さ(例:17G)以外に構造上の違いにより・・シングル・ルーメンとダブル・ルーメンがあります。

 

   「空胞を防ぐ」為にはダブルルーメンの採卵針で卵胞内を洗浄しながら採卵をすると卵子の回収率が増える

    と言う意見と変わらないという意見があります。手間が多いと採卵に時間がかかります。

 

シングル・ルーメン
シングル・ルーメン

 

  シングル・ルーメン

  (卵胞洗浄無し)

 

  メリット:採卵の時間がかからない

ダブル・ルーメン
ダブル・ルーメン

 

  ダブル・ルーメン

  (卵胞洗浄あり)

   洗浄液注入ラインがあります。

 

  メリット:採卵の時間がかからない

 

 

このように、卵胞洗浄をする・しないということも、「採卵の時間」が長くなるので

空胞で顆粒膜細胞が剥がれなかった場合も、「卵胞洗浄」が自分の卵子に効果的かどうかは、

主治医の先生とよく話す必要があると思います。

 

採卵に時間がかかるというのは、「ゆっくりと時間をかけて採卵」すると・・空気中にさらされる時間が長くなるということ。

それは、卵質がドンドン低下してゆくことを意味します。

 

 今までの卵胞の中の環境と空気中では気相もまるで違い、卵にとってはストレスになります。

その為に、採卵したら出来るだけ、培養庫に入れる必要があります。

 

 

【採卵時の医療サイドの工夫② P-ICSI(ピエゾ)】

 

 

 

                   ◆受精方法

           受精方法により次の3つが存在します。

                   フリカケ(IVFとかc-IVF)  ※cの意味は、conventional(=従来の)

                   顕微受精(ICSIとかc-ICSI)

                   顕微受精(    p-ICSI)

                                                                                 

                       


採卵前の卵胞

 

採卵前の卵胞は、卵巣の中でみると分かりやすいと思います。

上記イラストは、自然排卵ですが、排卵したCOC(卵・卵丘細胞)が顆粒膜細胞と一緒に卵管采の中に吸い込まれてゆく図です。

 

そしてゴナドトロピンであるLHサージとそれに続くFSHサージで、コンパクトなCOCが「ヒアルロン酸」の働きによって

膨張してゆく様子が描かれています。

 

これをみると、ヒアルロン酸を接収すると、卵子にいいと勘違いをしないで下さい。それほど簡単なメカニズムではないからです。

 

老化した卵胞の膜は硬い

 

老化の特徴として 次の3つ挙げられます。 

 

         1)卵胞の顆粒膜細胞(イラストのBLUEの膜)が硬くそして厚くなる。

            

            卵胞の成長スピードと卵子の成長スピードが揃っていないと、莢膜細胞でLHホルモンをキャッチして

            男性ホルモン(アンドロゲン 具体的にはテストステロン)が作られても

            うまくE2に変換できない。(E2を産生すのはYELLOWの顆粒膜細胞です)

 

         2)卵子(イラストのRED)の細胞膜も硬い、そして中の細胞質も柔軟性にかける。

 

            通常の顕微受精(c-IVF)で、針をつかって精子を中にいれるのには、硬い細胞膜に負担がかかるケースも

            出てくるので、、針で穴をあけずに卵子の細胞質にそっと精子を入れるPーICSIが合うケースも多くなる。

           

            c-ICSIに対して,p-ICSI(ピエゾICIS)への変更。

            先の尖った針ではなく、先の平らな「ピエゾ端子」をつかった受精方法に変える。

 

            通称「ピエゾ」はc-ICSIのように針を使わずに、電気をパルス振動に変えて

            老化で弱くなった卵子に「穴」をあけて精子を入れる方法。

 

              メリット① :卵子の細胞(老化して硬くなった細胞膜や、弱い細胞質)に負担をかけない。

 

              メリット② :精子にも優しい。

                      通常のc-ICSIでは、中に入れる為に動いている精子を「不動化」させるに

                      精子のしっぽをシャーレの底にピペットでこすりつけて動かなくさせるが、

 

                      ピエゾの場合は、ピエゾ端子をつかって、「精子の不動化」の処理をするので

                      精子にも優しい。

                     水色のホールディング・ピペットで卵子を固定して、

                     先の平なピエゾ端子でアニメーションのように

                     優しく顕微授精をする方法がピエゾICSIです。

 

    そして・・・3つ目の老化は

 

         3)卵巣自体が、硬くなること

            男性ホルモン(アンドロゲン)優位の卵胞から、卵巣自体も組織の線維化によって表面が硬くなります。

 

           (2)のピエゾICSIの処理をしても、受精後に卵子が変性してしまうケースは残念ながらあります。

            根本的な卵子の老化の問題です。男性の問題もあります。

 

 

硬くなった卵巣
硬くなった卵巣

◆空胞(E)や変性卵(D)の5つの原因

 

     変性卵には、採卵後に変性してしまっているケースと 受精後に変性してしまったケースと2種類あります。

 

空砲や変性卵の原因は5つあると思います。

 

① 遺残卵胞や黄体期から育ってくる生理周期からズレた卵胞 

       

        前周期と今週期(採卵周期)は、繋がっている。そして遺残卵胞がそのまま排卵して変性するケース。

        年齢が高くなると遺残などの頻度も高くなるので、比例的に変性の比率は増加してきます。

         「黄体期の見直し」をするのがいい思います。

 

② 排卵誘発の不足

 

        OHSSを避けて、刺激が足りないと当然ながら卵子は成熟しない。(刺激は注射だけでないです。内服薬の相性も)

 

③ ご本人の内因性のLH上昇のタイミングとクリニックの外因性ホルモンであるhMG注射のタイミング。

   その両方が、排卵抑制の作用に負けないこと。

 

     例) 連続スプレキュアやブセレキュア※、 セトロタイド等  黄体ホルモン製剤 

 

        ※ 鼻スプレー(GnRHアゴニスト製剤)は、連続使用をすると卵胞成長にブレーキをかける排卵抑制作用になります。

 

④ トリガー(排卵促進)のタイミングと相性

 

        ★シングルトリガー・ダブル・トリガー

   

        ★hCG筋注、オビドレル   、鼻スプレー(GnRHアゴニスト製剤)は、一時使用をすると

                             卵胞成長にアクセルを入れる排卵促進作用になります。

 

⑤ そして加齢(周期におけるエイジング卵子の頻度)

 

        薬ではコントールしきれい抜本的なモノもあります。

        年齢が高くなると成熟できずに、最後の最後に細胞死(アポトーシス)になるのは不自然なことはないです。

        詳しくは、こちらをご覧下さい。

              ↑ 「細胞死を司るミトコンドリア」

 

 

【まとめ】

 ①と④は、本人のカラダの問題。

 残りは、治療方針(プロコトル)との相性の問題になります。

 

 さまざまな理由が、複合的に絡みあって・・空胞や変性卵となって現れます。

 したがって、主治医の先生としっかりと相談することが大切になります。

 

 

 

 

【Q:年齢が高い方だけで変性卵や空胞が出るのか?】

 

 A: 年齢が若い方でも当然、発生します。

   周期によって育ってくる卵子には特徴があるので、巡り合わせもあります。

 

 


【重要】空胞・変性卵回避:排卵の二つの顔

 

     「採卵直前の卵胞の中・・想像できますか?」

 

      そこに・・排卵の特性が出ています。 詳細ページにてイラストで説明しますね。」

排卵の瞬間の卵子 
排卵の瞬間の卵子 

 

 排卵には、適度な炎症作用が必要です。

 

  大切なのは・・「適度な爆発」

 

 LHと炎症系のPG(プロスタグランディン)のパワーが必要。

 

 


排卵には二つの顔があります。

 

①卵胞の成長×卵子の成熟 

②炎症作用(プロスタグランディンとコルチゾールのツー・タッグによる適度な炎症)    この2面性が必要です。

 

治療中の方は、①の面ばかりをみており、②をあまり意識していません。

つまりLHと炎症作用がないと排卵はしません。炎症作用はOHSSや空胞、そして変性卵の理由を知る為には必要です

 

生理痛も炎症作用のプロスタグランディンが原因。それに対して抗炎症作用で「炎症」を抑えるのがコルチゾール。

 

両者にはメリットもあれば、デメリットもあります。

前者はPG産生過程において、「活性酸素」を産出し、後者は「血糖値」を上昇させてしまう弱点もあるのですが、

人が生きる為に必要だからこの世に存在しています。

 

 ★ 詳しくは・・こちらをご覧下さい。

          ↑ CLICK 「排卵には二つの顔がある。適度な炎症系」

正常受精と異常受精

変性卵と空胞を考える前に・・受精能(受精する能力)あるMⅡ卵を見てみましょう。

ここに精子が入り正常受精(2PN)になるか?異常受精(3PN等)になるかみてみましょう。

 

GV(超未熟卵)もMⅠ(未熟卵)も、そのままでは受精能を持たないので、

卵熟成をしてMⅡ(成熟卵)になってからでないと受精できないからです。

 

そして、MⅠから卵熟成が体外で進まずにMⅡにならずに、受精ステージまでいかない卵も年齢が高いと有りえます。

  〈2PN:正常受精〉

  受精確認で「正常受精」となるのは、Day1の2PN(前核が2つ)みえること。そしてそして上に極体が2個放出されていること。

  前核はPNと表現されます。

  

  〈0PN〉

  2つの前核(卵子経由と精子経由)の前核が融合して前核が消滅すると見えなくなるので、それが0PNです。(上記イラスト)

 

  この時に受精したのか?前核そのものが形成されなかったのか?わからない時は、

  採卵の翌日の受精確認(電話)の時に培養士に「まだわかりません」と言われる方もいると思います。

  そして翌日に持ち込まれます。(エンブリオスコープで前核の発生・融合・消滅を動画として追いかけている場合はわかります)

 

  〈3PN〉

  三倍体とも言います。

  受精時における「多前核」なので、分割時における「多核」とは区別して下さい。

   1)ふりかけ(=IVF)ならば、精子が2つ入ったりする他精子受精

   2)顕微受精(=ICSI)ならば、第2極体が排出できずに残って中に残ってしまった場合にも3PNになります。

          通常は、下の図のように第2極体が放出することによって中が2PNになります。

 

  1も2も、全ての染色体が2本あるのではなく3本ずつあるのを3PN(三倍体)といいます。

  (参考までに4倍体というものあります。受精後の第1回目の分割(後述)で全ての染色体が4本ずつあるもの。)

 

  

 

 

  上記のイラストは「採卵後」と「受精後」のイラストです。

 

  〈左の図〉

  採卵をして少し時間がたって成熟卵の確認がとれた状態。

  第1極体を放出しているのが成熟卵(MⅡ卵)の特徴です。

 

  〈右の図〉

  受精が確認されたの状態。

  特に、ポイントになるのが、第二極体の放出です。 これがみえると精子が侵入して卵活性化がおこなれた「印」です。

  

 

 

  〈その後の動き〉

  正常受精である2PN/2PDが見えた後に、

  2つの前核(2PN)が一つに融合して一つ(1PN)になり、そして消滅(0PN)して受精が完了します。

  新たなるDNAが生まれる瞬間になります。

 

  卵子も精子も減数分裂をして染色体が半分の状態で受精ステージにあがってくるので、あたらしい生命が生まれた時のDNAは

 

  もとの数に戻ります。

 

  〈減数分裂〉

  染色体はXのマークでイメージしている人が多いと思います。

  パパの46本とママの46本の染色体が最初にあり、これが受精して92本、孫の代になるとその倍の184本となってしまうと

  いけない為に、するのが減数分裂です。染色体の数を「神の青写真」に沿って半分にします。

  パパの23本 とママの23本の合計46本によって正常に戻すが受精です。

 

  その受精によって、あなたはこの世に「生」を受けて生まれてきました。

  その為、あなたの中には父由来の染色体と、母由来の染色体が共存しているのでご両親からみると宝です。

 

  そして、これらの2種類の染色体を使って、旦那さまと結婚してお子さんを作る時に卵子を長い眠りから覚めさせて

  排卵させる為に、次のような卵子の減数分裂をしてゆきます。

 

  


卵子の成熟(GV→MⅠ→MⅡ)を体外で実施すること

 

 今までは「空胞や変性卵の原因」について話して来ましたが、 不妊治療で苦労されている方の特徴として

 「原因が知りたい」という強い特徴があります。でも、大切なのは「仕組み」を知ることだと思うのです。

 

 自分のホルモンと比較して、「仕組み」を知らないと・・主治医の先生と対策を練る話が出来ないからです。

 そして、ホルモンを知らないと・・今 一生懸命に努力していること「サプリメントや食事や睡眠や民間療法」との関連性が取れずに

 バラバラの努力をすることになるからです。  お金ばかりがかかってしまいます。

 

 

  ★卵子の成熟とはGV卵がMⅠ卵を経て・・成熟卵であるM2Ⅱになるまでのプロセスです。

   したがって、D(変性卵)やE(空胞)は卵成熟をしなかったということになります。

 

GV卵・MⅠ卵・MⅡの卵の比較表 〈時系列〉

 

  〈図の解説〉

 

   GV卵は、中に「GV核」と呼ばれる大きなまるまるとしたものが消滅しないと、MⅠにはなりません。

   次に

   MⅠ卵になると、その「GV核」が綺麗に消えています。

  

   次に・・初めて受精能がある成熟卵になるには、「第一極体」が放出されないとフリカケもICISIも出来ないです。

 

  大切なのは・・水色の膜である「透明帯」です。

  

   これがしっかりとあるから卵子が成熟してゆきます。

   しかし、M1(未熟卵)経由のMⅡ卵では、通常のMⅡ卵に比べて、その透明帯が硬いのでフリカケはできずにICSIになります。

 

   また、通常のMⅡで採卵しても、老化したエイジング・エッグでは、MⅡでも透明帯が硬いということがあり得ます。

   ここに、通常の針を使うICSIではなく、針を使わないピエゾ・ICSIなどが生まれてきました。

   卵子の細胞膜や細胞質に負担をかけたくないからです。

 

 


変性卵の透明帯とは?

   左図の変性卵は・・

 

   透明帯が欠落している「変性卵」

   一方

   

   左図の変性卵は・・

 

   透明帯のみしかない「変性卵です

   変性卵も、どの部分が変性しているか?によっていくつかのパターンがありますが

 

   経過観察するしかないです。

 

   結果よりも、変性するには理由があるので、年齢的なことも含めて、まず黄体期の見直しから始めるのがいいでしょう。

 

   ・男性ホルモン関係の見直し  ・P4製剤の見直し   ・過ごし方の見直し 等

 

   それと、安易に変性卵や空胞に効果があると謳うサプリメント等には手を出さない方がいいと思います。

 

   当相談室が、サプリメントの棚卸しをするも、ホルモン値や過去の体外の結果(薬剤と反応)を見て実施しているのも

 

   ●●を飲めば、☓☓できると簡単ではないから、地味にコツコツと周期を通してみていくことをモットーにしています。

 

                      ※ 当相談室では、特定の公式サプリメント等は一切販売していません。

 

   


LUF(黄体化・未破裂卵胞)について

 

 

PCOでもないのに(=卵巣の表面の膜が固くない)のに排卵しなかった。 卵胞が卵子を抱いたまま高温期に入った時。

そういうケースをLUF(=黄体化未破裂卵胞)と呼びます。

 

卵胞が排卵期を通過しているという点です。

その為、排卵後から育ってきた卵胞がday1を迎えてエコー画面の中に「顔」をみせたとしても

それはLUFではないです。排卵期を通過していないからです。

 

 

 

  

 

黒いのが卵胞です。卵胞の大きさを測ると32mmもなっています。

 排卵していない排卵前の典型的なLUFです。

 

 

 

 

 

 

 

 

LUFの原因ははっきりとわかり切っていないのですが

前周期での排卵期を迎えても卵胞が破裂しない ということは、卵胞膜を破裂させる仕事をするP4の力が弱いことになります。

 

「黄体ホルモンは、排卵した卵が黄体に変化してそこからP4が分泌されてくる」と思っている方も多いと思いますが

排卵前のトリガー日にP4チェックがあることからも

まだ排卵していない卵胞の卵胞液に中にも、P4や男性ホルモンは分泌されています。

E2だけしか卵胞液に分泌されない訳ではないです。

 

D3で大きな卵胞がエコーの中に見えた時に、LUFかLUFでないか?不安になる方が多いと多いと思いますがその違いになります。

先程、「体質」の話をゲノムにからめて話しましたが・・体質はここにも存在します。出やすい人と出にくい人がいます。

若い方でも・・LUFは出る時は出ます。

 

 

【日本人特有のDNA配列は、国際ゲノム基準の雛形とは少し違う】

 

この話をする前に・・日本人特有のDNAの配列があります。

「薬が効かなかったり」しても「体質だから・・・」と一括りにされてお茶を濁さざるを得なかった時代から、

個別医療への舵取りが今始まっています。

 

 

今をときめくNGS(短鎖技術による次世代シーケンサー)は、DNAの雛形に付きあせて調べていますが、

その雛形は、2003年のヒト・ゲノム解読完了での国際ゲノム基準です。  

 

そのDNAの雛形は、ヨーロッパ系とアフリカ系の人に由来しており、一般的な日本人に特有のDNAの変化が反映されていませんでした。

そのために本来あるべき違いが検出されなかったり、間検査があったりと問題視されていました。 これが解消されつつあります。

 

 

イラストのように前周期の排卵を過ぎて育って来た卵( ① )はLUF(=黄体化未破裂卵胞)ではないです。

    一方、 前周期の排卵前から 育って来た卵( ② )はLUFになります。

 

 

体質(薬が合わない場合ふくめての体質)によって、LUFの発生頻度は違います。

変性卵ができやすい体質の場合は、採卵周期のD3基礎値とLUF可能性は慎重になりますが・・

たいていは、移植周期のLUFでしょう。 消えてゆく度合いによって着床の窓と絡んでくるからです。

 

 

 


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