AMHの秘密

                   THE SECRET OF AMH

AMHに関して次のような心配を持っている方が多いです。

 

 AMHが低い

 AMH値の年齢別な平均は?

 AMHが高い

 卵胞の成長が遅い

 卵胞の成長が早すぎて、卵子が上手く成熟しない

 AMHが低い原因を知りたい

 D3エコーで見えていた卵胞が、消えてゆくのが悲しい。なぜ?

 

Q:卵胞SPEEDをコントロールするAMHは・・どんな働きをする? 

 

ここから考えていきましょう。

 

 


 

AMHは、この8年で大きく認識が変わりました。 

当該ページのテーマは、「卵巣年齢と表現するには無理があるAMH(抗ミュラー管ホルモン)です。

 

上記のグラフは、縦軸はAMH値 、横軸は年齢です。 

グラフのピークは・・24.5歳になっており、年齢に応じて減る一方なので、マスコミが「卵子の老化」というキーワードによって

不安を煽りすぎました。そして不安は尾ひれをつけて独り歩きをしていったように感じます。

 

当時は「卵巣年齢」と言われていたり「卵子の残り数=原始卵胞」という認識が一気に広まってしまったからです。

正しい情報(AMHホルモンの発生メカニズム、FSHとの関係)を与えられずに当時の妊活中の女性達は翻弄されてしまいました。

 

 

「AMHの秘密(the secret of AMH)」とは、卵胞のSPEEDをFSHに対してコントロールするAMHが、卵胞期の後期において

卵胞が消けすことによって、種を保存しようとするヒト卵子のプログラムを有しています。

 

 

上のグラフは、同じ年齢の方でも、AMH値のばらつきが非常に多いことを示します。

ばらつきをカットオフしてグラフにしてみると・・・

 

 

 

 卵胞の供給量である「AMH」の低下や、育ってくる卵胞の数が

少なくなってくると いろいろと迷う方が多いと思います。

 

41歳を超えるとAMHは1.0ng/mLを切ってきますが・・

 

それはどう言う意味なのか?

それを正しい知識をもって、何をすべきなのか?

自主的に考えて考えてください。

AHHの秘密は、今後のあなたの体外プランで非常に大切なKEY

になります。 

 

 

 

 


正しいAMHの知識を知る理由とは・・?

 

 

AMHが高いのは、AMHが低い人からみると卵胞がたくさん育つので年齢が高くなってもいいね!とは一概に言えない訳です。

AMHが高い人は、低い人とはまた別の悩みがあります。

 

プロコトル(治療手順)も違えば、摂るべき栄養素も違います。

 

それによって、排卵誘発のプロコトルや培養や・・摂るべき栄養素によって卵質が変わるが変わるから

正しいAMHの知識を知る必要があります。

 

AMHは、卵胞の供給量であり、卵胞を育てるホルモンであるFSHと負の相関があります。

AMHとFSHは、低温期(卵胞期)の前半と後半では真逆な動きをします。

人工受精や体外受精の採卵において排卵誘発をした場合には、、薬によってFSHは上昇してゆくので卵胞は成長しますが

卵胞期の後半では、FSHが卵胞を育てようとする反面、AMHはそれを制御しようとブレーキをかけてきます。

排卵の邪魔をしているだけでしょうか? それは違います。

 

水面下において卵子を育てるLHというホルモンの登場の為に道を切り開いていきます。

 

【こんな勘違いをしていませんか?】

☑ 卵胞が大きくなればいい卵子が出る

 

☑ 卵胞が大きくなるのに日数がかかり過ぎたから、いい卵子も出ないだろう

 

☑ 排卵前のトリガーの日に、E2が高すぎたから、いい卵子も出ないだろう。

 

☑  逆に         E2が低すぎるから、いい卵子も出ないだろう。

 

これらは、卵胞の大きさと  FSHとE2しか見ていない。

 

それと、ホルモンは薬で作られるホルモンと、自分のチカラで作るホルモンがあります。

 

育ってきた卵胞の卵胞液の中に貯まるホルモンは色々あります。E2、P4、IGFーI(インスリン様成長因子)など。

 

卵巣の発育には、成長ホルモンの一種であるIGF-Iは、FSH(卵胞刺激ホルモン)と共に重要な働きをします。

 

脂肪細胞のコントロールが凄く重要な訳です。それは身近なところからも改善できます。

 

 ☑ 肥満をさけて痩せればいい・・そういうものではないです。

 

 ☑ インスリン抵抗性がないように・・徹底的に糖質制限をすればいい・・そういうものでもないです。

 

 ☑ コレステロール管理をすれば・・全ては解決する・・そういうものでもないです。

 

 AMHが高い人には、高い人なりのプロコトル(治療手段)と栄養素があり

 AMHが低い人には、低い人なりのプロコトル(治療手段)と栄養素があり

 

 双方とも自分の代謝を知ることが大事です。

 それは薬の代謝であり、自分の基礎ともいうべき体質を知ることです。

 

 

AMHが低い人・・

 

☑ D3エコー画面で現れる卵胞(AFC)が少ない

 

☑ FSHの問題を抱えるケースが多い

 

☑ AMHとFSHは反対の動きをするので

   FSHが高くてコントールに苦労する時がある。

 

☑ E2が上がりにくい

 

☑ 採卵してもあまり多くの卵子が採れない

 

☑ 卵胞の成長スピードがいきなり早くなる時がある

              など・・

AMHが高い人・・

 

☑ D3エコー画面で現れる卵胞(AFC)が多い

 

☑ LHの問題を抱えるケースが多い

    ⇒卵子が成熟しにくい

 

☑ AMHとFSHは反対の動きをするので

   LH優位だと、肝心な時にFSHがついて来ない

 

☑ E2が上がりすぎる

   排卵後に逆に下がり過ぎる

 

☑ OHSSのリスクがあり、プロコトル(治療手順)の強弱の

   さじ加減が上手な先生が必要になる。

 

☑ 採卵して多くの卵が取れるが、採れた卵が全て

   成熟卵そして「正常胚」になる訳ではない。

 

☑ 卵胞の成長スピードが遅い

               など・・



☆現在のAMHの基礎知識〈サイエンス〉は3つ

 

 

 ① AMH値は、卵子の在庫を正確に示すものではない。

 

 ② AMH値は、卵子というより、卵胞の供給量を示す。

  

 ③ AMH値は、卵胞の成長のブレーキもになっており、その働きが崩れた時に色々なイレギュラー的な採卵になる。

    

    

    

  

  絵で説明していきましょう。

       

   POINT:  上記のイラストの小さな四角形の中のメカニズムをご覧下さい。

 

             AMHは、FSHに対して抑制(ー)に働きます。またE2はAMHに対しても抑制(ー)に働きます。

             

            

 

 

これは、卵胞の中ので男性ホルモン(T:テストステロン)が

CYP19A1(=アロマターゼ)によって

女性ホルモン(E2:エストラジオール)変換される図です。  

 

顆粒膜細胞(=GC, Granulosa cell)からFSHやAMHホルモンの分泌されます。

 

 

  ★         ★         ★         ★   

 

          この絵を、分かりやすく書くとと以下の絵になります。

          卵胞が一つ一つ淘汰されて、それぞれの卵胞が細胞死(=アポトーシス)されて

          自然周期では、最終的に人間の卵は1個だけしか排卵されないことが理解されます。

 

          動物の生殖実験が、そのまま人間の卵子の培養に当てはまらないという人間の姙娠の神秘さに直結します。

 

          AMHホルモンは、ある時は、FSHに対してアクセルの働きをして、採卵周期にある時期からは

          卵を育てたいとするFSHに対してのブレーキ(抑制)の働きをします。

          つまり 卵胞の成長に対してブレーキ(抑制)の働きをします。

 

          AMH値が低い方は、ブレーキの働きが弱いということになり採卵周期において卵胞が成長がスピードを増します。

          そのために、前回のD3の時になかった卵胞が、いきなり育ちD8の頃にはいきなり大きくなっているという現象

 

          も当然ながら有りえます。 卵胞は1日に2mm位ずつ成長するという常識は簡単に覆る訳です。

 

          このように卵胞の成長スピードを自分で把握することは、

          成長に対してもブレーキの”緩さ”も把握することと同義です。

 

 

① AMH値は、卵子の在庫を正確に示すものではない。

 

  AMH値は、卵巣の予備能を示すものの一つですが

  AMH値は、卵巣の中の原子卵胞の在庫数を正確に示している訳ではないです。

 

  上の図でAMHホルモンが、卵胞の顆粒膜細胞(図のイエローの膜)から分布されるのは、

  前胞状卵胞(CLASS1)になってからです。

 

 

 何十年も卵巣の中で眠っている原子卵胞からAMHホルモンが分泌されているならば「卵子の残り数」を示すでしょうが

 イラストを通りに分泌されていないから「卵子の在庫」というのではない訳です。

 

② AMH値は、卵子というより卵子を持った卵胞の供給量を示す。

 

  イラストの第3周期(採卵する周期)をみて欲しいです。

  この周期の生理3日目(D3)あたりのエコー検査で、若い方だと左右の卵胞で合計10個位の小さな卵胞が見えます。

  (AFCの数)

  この卵胞数が多い時もあれば、少ない時もある。

  この供給されてくるAFCの顆粒膜細胞から産生されてくるのがAMHホルモンなのでその総和がAMH値。

  

③ AMH値は、採卵周期のD8位を堺に、逆の動きをする。つまりアクセルとブレーキが逆転する。

 

    AMHとFSHの関係に注目しましょう。

    AMHもFSHも発育中の卵胞の顆粒膜細胞から分泌されています。

    

    《採卵の前周期の高温期》

    卵胞は、FSHに依存しています。FSHは卵胞を育てるホルモンです。

    ここで、AMHは卵胞が育つ(=卵胞成長)のブレーキの役目を担っています。

    

    卵子が淘汰として失われてゆくのが上のイラストの「Class4期(採卵の前周期)」になります。

    まだ高温期で卵胞が大きくなってはいけない時期に

    次から次へと卵胞は「成長サイクル」に入らないようにブレーキをかけているのがAMHです。

 

    ちなみに、生理3日目の内診のときに、大きな卵胞がエコーで見えて近々採卵になるケースなども高齢の方では有りえます。

    生理周期と、卵胞の成長サイクルがズレてきているケースです。

    下のイラストで見てみましょう。

 

 

 

 

  AMH値が低いかたとか、高齢の方では

  FSHとAMHのバランス

 

  つまり

  卵胞成長のアクセルと、卵胞成長のブレーキのバランスが

  崩れると、

 

  右図のように赤い部分だけ

  前周期の高温期までずれ込んでしまいます。

 

  《参考:遺残卵胞のケース》

  前周期の排卵期までさらに左に

  ずれ込むと遺残卵胞になります。

  「排卵」をまたいでいるのです。排卵せずにそのまま

  卵子を抱えたまま、次周期を迎えます。

 

 

一方!正常のケースを見てみましょう。

 

    赤い部分のズレが生じていないので、 卵胞の成長サイクルと生理のサイクルは一致しています。(下図)

  

 

 卵胞というのは、低温期だろうと排卵期だろうと高温期だろうと

 小さな卵胞は、どの時期からでも育ってきているのですが

 

 主席卵胞や次席卵胞などが生理のサイクルに適合して正常通りに

 育っているのが左図。

 

 

 前周期の高温期に、FSH(=アクセル)とAMH(=ブレーキ)が

 バランスをとっているので「卵胞の成長サイクル」と「生理のサイクル」

 にズレが生じずに一致している訳です。


FSHは排卵促進アクセル・AMHは排卵抑制ブレーキ

卵胞期〈中期〉


 

  AMH(ブレーキ)

   スローダウン

      

 卵胞経が14mmライン →

   LHが立ち上がってくる

 

     ///////////////////////////////////////////////

 

 卵胞経が10mmライン →

  FSHがゆっくり

  低下してくる

    ↑

 AMH(アクセル)

卵胞期〈後期〉


AMH(ブレーキ)

   完全解除!

    ↓

   〈トリガー近辺〉

← 機能的黄体化 

     卵胞の中に、E2に+して

  P4が分泌されてゆき

  卵子が成熟度が加速する!

 

     同時に P4によって

 

  着床の為の子宮内膜もSTART


卵胞期〈中期〉


 

  AMH(ブレーキ)

   スローダウン

      

 卵胞経が14mmライン →

   LHが立ち上がってくる

 

     ///////////////////////////////////////////////

 

 卵胞経が10mmライン →

  FSHがゆっくり

  低下してくる

    ↑

 AMH(アクセル)

卵胞期〈後期〉


AMH(ブレーキ)

   完全解除!

    ↓

   〈トリガー近辺〉

← 機能的黄体化 

     卵胞の中に、E2に+して

  P4が分泌されてゆき

  卵子が成熟度が加速する!

 

     同時に P4によって

 

  着床の為の子宮内膜もSTART


 

 

 

      卵胞の発育において、

        卵胞を育てようとするFSH(アクセル)

        卵胞の排卵抑制をしようとするAMH(ブレーキ)

 

       この二つのバランスが大事になります。

 

        両者ともE2がどの位の高いになったら、作動するのか?タイミングをみています。

 

      排卵がday14の方だったら、LHサージがかかってきたday12あたりに「トリガー日」になるでしょう。

      

      個人差があるものの・・

      卵胞経が10mmラインでFSHは、ゆっくりとアクセルを緩め始めても卵胞は育ちます。

 

      そして

      卵胞経が14mmラインでは、LHが幅を効かせてきます。

      LHは、卵子を成熟させるホルモン。 イメージ的にはスピードにトルク(ねじるチカラ)を載せてきます。

      

        中学校や高校の時にソフトボールをした授業でした人は

      重い球を投げる友人と、軽い球しか投げられない友人のボールをバットで打ったり、ミットでキャッチした事があるかも

      しれません。 

 

      LHがしっかりと効いてきた卵子は、「重い球」のような感じになります。

 

   

      AMHが低い方の場合は、卵胞成長におけるAMH排卵抑制ブレーキが早めに解除になってしまうので・・

      成長スピードが加速してしまって、「1日2mmで卵胞は大きくなる」とかそんな理論はカンタンに飛びます。

      明後日には1日に10mmも大きく育ったり、E2が倍増したりするのも、高齢患者さんの場合は珍しいことはないです。

 

      仮に!ボールの中身を割ってみてみるとすると・・

      卵胞の大きさの割りには・・卵子が成熟していないとケースもあります。

 

      卵子を成熟させるLHが、通常よりも早いタイミングで作動してきたり(早発LHサージ)すると

      ソフトボールの球は、軽くなってゆきます。

 

      ※ 例えがよくわからなかったら申し訳ありません。

      


   《D8あたりでなんでFSHが落ちるのか?》

 

   一言で言ったら・・・主席卵胞以外は生き残れない世界を作りたいから。

 

    AMHホルモンの分泌が減るD8移行は、卵胞の成長のブレーキ役であるAMHホルモンの分泌が落ちてきます。

    AMHが弱くなってゆくのでFSHは・・ダイレクトに卵胞に作用してゆきます。

 

    今まで、制御してきたAMHがいなくなったのだから、もうFSHは自由奔放に卵子を育てようとしてきます。

    ところがこの時は卵胞が育っているのでE2が上昇してきているので、E2↑ ⇒ FSH↓というE2の負のフィードバックが

    入ります。 それによってFSHのカーブはゆるやかに落ちてきます。

    FSHの分泌が低い状態に卵巣がされされるので、たくさんの小さな卵胞が細胞死(=アポトーシス)を余儀なくされて

    上のイラストの次席卵胞にまで消えてゆく「卵胞選別」がおこります。そして、主席卵胞1個のみが排卵期を迎えてゆく。

    これが自然のメカニズムです。

 

    (∵ 卵胞が1個にセレクトされてゆく為に自然のメカニズムが動くからです。

       裏で動いているは、排卵数調整ホルモンと呼ばれる「インヒビンB」です。

       脳の下垂体に伝えられる血中インヒビン濃度によって、卵巣に発育している卵胞数を感知して、

       種に固有の排卵数(=発育卵胞数)を維持するようにFSHの分泌を調整しています。

        もともと妊娠しずらいように出来ている人間は、それが1個とプログラムされている訳です。)

 

    このようにD8移行は、AMHのブレーキが徐々に・・解除されてゆくので、AMHの影響が卵胞に対して逆転する訳です。

     イラストにおいて「AMHの影響(ブレーキ)と表現したのは、D8までずっと複数の卵胞が育ってきた

    AFC(小さな卵胞)の成長にブレーキをかけるからです。

    

 

 

   《参考:卵胞成長のイレギュラー》 

 

        「私のように年齢が高くなると・・

             いきなり大きくなる卵胞があるのはなぜ?」  by MIE

 

        「D3のエコーではAFCは見えなかったのに、次の内診でもういきなり20mm近くなっていて

 

        採血したらLHも有に20を超えて明日!採卵ねと言われるのが最近多くなった気がするのね。」

 

 

    A:  AMHのブレーキが効かなくなってきているからです。 FSHが一気に暴走してFSH↑↑ ⇒ 卵胞径↑ ⇒ 採卵明日!

        年齢が高くなるとAMHは低くなっていますが、インヒビンBもAMHと正の相関関係がある為に

        AMH↓ ⇒ インビビンB↓  ⇒ 卵胞調整ホルモンであるインヒビンBが少なくなる ⇒ 卵胞調整のコントロール

                                                 が効かない。

 

       同様に、年齢が高くなるとD3採血のFSHが高くなるから

        FSHの分泌の調整をするインビビンBもすくなっている。

        ここでFSHとインヒビンBは、負の相関関係があり、インヒビンB↓(年齢的に少ない)⇒ FSH↑↑(高くなる)

        FSHの過剰分泌によって、卵巣が疲れてくる。(=FSH受容体の数が減ってきて、卵巣が悲鳴をあげる)

       

    


こんなにばらつきがあるAMH基準値

 

  ここで”基準値”と書いてあるのは・・正常値ではないということ。

 

  AMHの標準偏差は、非常に大きく、正常範囲を設定できないのが現状です。

 

  年齢的にも24.5歳をピークとして「山」型になっており

 

  AMHに関与する年齢因子はわずか1/3であり、のこりの2/3は別の因子に

 

  なっているからです。

 

  AMH値を「卵巣年齢」と表現するとかなり無理があるので

 

  このあたりの正確な認識が、不妊患者さんには必要です。

 

  AMHは妊孕性をダイレクトには示さないこと。

 

  それでもAMHは卵胞の供給量を示すので、卵子のリクルート量が多ければ

 

  採卵できる卵胞・卵子の数も増えてくるのでアドバンテージは高いのですが

 

                           それは絶対的な必要十分条件ではないです。

 


AMHは卵質を示さない理由を分子レベルで見る

 

 

AMHが卵質を示さない理由は?

 

 卵質は、卵子の細胞の中の核の中にある染色体の話です。

 通常2本あるのが一本多い(トリソミー)や1本少ない(モノソミー)などの数の異数性の問題です。

 AMHホルモンは、卵胞の顆粒膜細胞から分泌されているので、場所が全然違います。

 

 平たくいえば、・・そこには卵子の染色体がない。染色体がなければDNAもない。

 DNAもなければ「卵質に影響する」遺伝子もない。

 絵で書いてみましょう。

 

 

このもともとの細胞は、卵子の中の話です。

 

卵質を影響させるのは、2本の染色体の四隅である

 

「テロメア」が老化で染色体が分裂してゆく時に

 

 成長スピードに追いつかずに短くなったり

 

 2つの染色体をつなぐ輪ゴムの働きをする

 

 「コーヒーシン」がゆるゆるになったりすると

 

 分裂において染色体の数のエラーがでます。

 

 これが卵子の老化の原因の一つです。

 

 AMHホルモンはこの絵に中に登場してこないのです。

 

 

 

   POINTとは、AMHではなく卵質になります。

   卵質はどうにもならないと治療を続ける心の中でトラウマ化しているヒトも多いと主ます。 

   

   でも・・卵質は変わります。 その為には、良い卵子と悪い卵子の違いをしっかりと知ることが大事です。

 

  (関連ページの紹介)

《卵子の質と染色体》

 上記の絵をクリックすると、リンクあります。
 上記の絵をクリックすると、リンクあります。

卵子の質に関する詳細ページは、こちらに記しています。

                ↑

               「卵子の質と染色体」

 

 

 

  ☑ 成熟卵(MⅡ卵)が採れない

 

  ☑ 質の良い卵を取りたい

 

 

  着床前診断(PGT-A)の観点から

  染色体・DNAのレベルから説明。

 

 「卵子の質」、そして受精後の「胚の質」を考えます。



AMHが低い方

女性の卵は原始卵胞→発育卵胞→前胞状卵胞→胞状卵胞→成熟卵胞というサイクルでで成熟化してゆくのですが

閉経が近づいてくると採卵周期D3に見えてくる卵胞が減ってきます。

AMHが0.5を切ると見えても2個とかなる人が多いですが、それはエコーで見える卵胞です。

もっと小さいのがエコー下では見えない場合もあるので、

D3で卵胞ゼロでも、次の内診D8で卵胞が見えてくることも不思議ではないです。

 

AMH値は加齢により減少し、閉経期よりほとんど分泌されなくなるが、

これはAMHの主要な分泌源である前胞状卵胞の消失によるものといわれています。

イラストの第1周期や第二周期で、卵胞があってもそれが細胞死(アポトーシス)で消えていってしまうのです。

 

その為に、いかにその2周期においてアポトース(細胞死)から遠ざけていくかが大切な戦略になります。

 

【対策】

    ① 活性酸素の除去 (アポトーシスの引き金になる為)

 

    ② ストレス  (脳の視床下部がその管理塔なので、そこにストレスを感じさない生活習慣を持つ。特に睡眠による

             デイリーの周期変動があるDHEAホルモンや、コルチゾールホルモンに変な動きを与えないこと)

 

    ③ 栄養のバランス  E2は性ステロイドホルモンの最終製品ですが、それが産生されるまでの

               脂質代謝の管理や、それを次のホルモンに変換させる酵素をしっかり働かせること。

 

              例)  テストステロン  ⇒   E2

                  (男性ホルモン) ↑ (女性ホルモン)

                           ↑

                       変換酵素: アロマターゼ

 

    ④ 腸肝循環を整える   

               アトピーの原因になる「リーキーガット症候群(LGS)」=腸漏れ症候群 

               など、内服が効かなくなったり、栄養摂取もロスになります。

               着床時の子宮内膜の「乳酸菌」の大量暴露も 上手く回らなくなります。

               リーキーガットとは、Leaky (=漏れている)+ Gut( 消化器官、腸)のことです。

               腸の炎症を抑えたり、胃の消化酵素を整えたりすることが大事になります。

 

 

関連ページ for  AMHが低い

変性卵・空胞の5の原因と対策
  ↑ アイコンにリンク有り

 

 年齢が高く、AMHが低いと・・

 

 採卵においても「変性卵(D)」や「空胞(E)」の発生が

 高くなります。

 

 1)変性卵・空胞の5つの原因はなにか?

 

 2)医療サイドは、どんな工夫をしているか?

 

 3)自分でコントロールできるものと出来ないものは?

 

 卵子の成熟(GV→MⅠ→MⅡ)を時間軸にそって

 特徴を説明しています。 培養の話にも触れています。

 主治医の先生と「対策」を相談する時の基礎知識です。

 

                                  詳しくは、こちらをご覧下さい。

                                        ↑ 「空胞・変性卵の原因と対策」

閉経まので6段階のステップ と対策
↑ アイコンにリンク有り(閉経とFSH上昇・・その推移)

 AMHが低く、FSHが高くなると閉経を心配をされる方が

 多くなります。 

 

 閉経になるまでには6段階のステップがあります。

 FSHやLHの推移を説明してます。

 

 そして、その対策はなにか?

 

                                   詳しくは、こちらをご覧下さい。

                                         ↑ 「閉経とFSHの上昇」

卵胞が消えてゆく・・細胞死(=アポトーシス)を司るミトコンドリアDNA
↑ アイコンにリンク有り

 

 年齢の高い方は、卵子の細胞質の点在する

 ミトコンドリアDNAが少なくなります。

 核DNA(母由来のDNAと父由来のDNA)をコントロールして

 いるミトコンドリアDNAの話です。

 

 エネルギー(ATP)を作ると同時に、「活性酸素」も産生する

 ミトコンドリア。

 

 なぜ?卵胞を消滅させてゆく自爆ボタンを有しているのか?

 

  詳しくは、こちらをご覧下さい。

        ↑ 「細胞死(=アポトーシス)を司る

                  ミトコンドリアDNA」

卵質を低下させない為に・・ 環境ホルモン、腸管循環、誘発方法・培養方法で正常胚の獲得率は変わることを知る。卵質を改善する。
↑ アイコンにリンク有り

 

 

     ① 環境ホルモンのリスクを知ること。 ⇒ トリクロサン

     ② 薬の効かないカラダを作らないこと。 ⇒ 腸肝循環の不具合

     ③ 誘発方法・培養方法で正常胚の獲得率は変わることを知ること

     ④ プロコトル(治療の手順)に自分も関心を持つこと。

 

     この4つとプラスαが、卵質を低下させない為に必要です。

     卵質を上げる工夫も大事ですが、下げるものを回避する「引き算」からはじめては

     どうでしょうか?

 

        詳しくは、こちらをご覧下さい。

              ↑ 「卵質を低下させない為に・・」


AMHが高い方

PCO(多嚢胞)とそうでない場合の比較

 

 左図は、JISARTの図です。

 グレーの棒グラフ: AMHが高い特徴のあるPCO(多嚢胞)の人

 ブラックの棒グラフ:PCOではない普通の人

 

  40歳以上で開きがあるのを見て下さい。

 

  クリニックでは培養士がデータ分析をする時には

  AMHを0、1、2~3、4以上とグループ分けをする場合があります。

  比較的高齢の患者さんが普通に来ているクリニックでは

  AMHのメモリ0~1.0ng/,mlを更に細かく刻んでゆくでしょう。

  

 

  高齢でPCO傾向の方:    卵子の供給量があるのでD3のエコーで見えるAF(その周期に育つ卵胞)の数が多いので

                採卵できるアドバンテージは高いです。

 

  高齢でPCOでない傾向の方: D3でAFが左右あわせても4個に届かない

                採卵数のアドバンテージが低いので、高齢でPCOの人と比べて頭を抱えることなのか?

                データで考えて欲しいです。

 

  【結論】

 

  41歳位までは、確かにAMH値、FSH値による採卵あたりの胚盤胞獲得率は、AMHが高いほど伸びるが

  42歳以上48歳くらいまでは、その差が縮みます。

  移植判定・5Wの胎嚢確認・流産率・出産率は・・変わらなくなります。

 

   私がいいたいのは、40歳以上になると・・AMHの低さはハンディキャップ感が薄まるということ。

  そのかわり、年齢因子以外のものが、現実には噛み付いてくるということです。

 

  そこは必ずブロックしてゆく戦略を取りたいものです。

  

関連ページ for  AMHが高い

AMH高いけれど、多嚢胞ではないグレー、PCO、PCOS

AMHは高い方はこちらのブログ記事をご覧下さい。

        ↑

       AMHが高い!PCO・PCOS・グレーゾーン

 

AMHが高い人は、低い人とはまた別の悩みがあります。

プロコトル(治療手順)も違えば、摂るべき栄養素も違います。

 

PCO(多嚢胞卵巣)とPCOS(多嚢胞卵巣・症候群)もまた違います。やっかいなことに・・PCOではないグレーゾーンの人もまた違います。

 

卵巣の糖化をさける為に、極端な糖質制限をすると一番肝心なコレステロール管理すらも壊れてゆきます。男性ホルモンが女性ホルモンに転換されて卵胞液の溜まってゆく「2セル2ゴナドトロピン・セオリー」の間には、古代から人間に与えられている貯蓄エネルギー「脂肪細胞」の秘密が存在しています。



OHSS(卵巣過剰刺激・症候群)の原因

排卵の瞬間の卵子 
排卵の瞬間の卵子

 

 排卵には、適度な炎症作用が必要です。

 

  大切なのは・・「適度な爆発」

 

 LHと炎症系のPG(プロスタグランディン)のパワーが必要。

 

 


排卵には二つの顔があります。

 

①卵胞の成長×卵子の成熟 

②炎症作用(プロスタグランディンとコルチゾールのツー・タッグによる適度な炎症)    この2面性が必要です。

 

治療中の方は、①の面ばかりをみており、②をあまり意識していません。

つまりLHと炎症作用がないと排卵はしません。炎症作用はOHSSや空胞、そして変性卵の理由を知る為には必要です

 

 

生理痛も炎症作用のプロスタグランディンが原因。それに対して抗炎症作用で「炎症」を抑えるのがコルチゾール。

 

両者にはメリットもあれば、デメリットもあります。

前者はPG産生過程において、「活性酸素」を産出し、後者は「血糖値」を上昇させてしまう弱点もあるのですが、

人が生きる為に必要だからこの世に存在しています。

 

 ★ 詳しくは・・こちらをご覧下さい。

 

          ↑ CLICK 「排卵には二つの顔がある。適度な炎症系」