AMHが高い!PCO/PCOS・グレーゾーン

 

PCOかも知れない人とグレーゾーンにいる方へ。 

 

ご自分の代謝をご存知ですか?  それがとても大切なことだからです。

 

AMH高いけれど、多嚢胞ではないグレー、PCO、PCOS

 

左の絵はノーマル卵巣です。 そして

輪切りにした右の絵は「多嚢胞性卵巣」PCOです。  

 

そして PCOに「S」が加わるととシンドローム(症候群)であるPCOSとなります。

    PCOSとは、多嚢胞性卵巣シンドローム。 この2つ違うものです。

 

 

3つの共通点は、AMH(抗ミュラー管ホルモン)が高いということ、

 

そしてD3の基礎値においてFSHが比較的低くLHが高いということ。 (FSH/LH  >1) 

 

 

 

 

 

 

AMHが高いのは、AMHが低い人からみると卵胞がたくさん育つので年齢が高くなってもいいね!とは一概に言えない訳です。

AMHが高い人は、低い人とはまた別の悩みがあります。

 

プロコトル(治療手順)も違えば、摂るべき栄養素も違います。

 

 

隣の芝は青く見える。だから・・淡々と治療を進めることが大事です。

人と比較しても、益には全くならないです。

 

 

AMHが低い人・・

 

☑ D3エコー画面で現れる卵胞(AFC)が少ない

 

☑ FSHの問題を抱えるケースが多い

 

☑ AMHとFSHは反対の動きをするので

   FSHが高くてコントールに苦労する時がある。

 

☑ E2が上がりにくい

 

☑ 採卵してもあまり多くの卵子が採れない

 

☑ 卵胞の成長スピードがいきなり早くなる時がある

              など・・

AMHが高い人・・

 

☑ D3エコー画面で現れる卵胞(AFC)が多い

 

☑ LHの問題を抱えるケースが多い

    ⇒卵子が成熟しにくい

 

☑ AMHとFSHは反対の動きをするので

   LH優位だと、肝心な時にFSHがついて来ない

 

☑ E2が上がりすぎる

   排卵後に逆に下がり過ぎる

 

☑ OHSSのリスクがあり、プロコトル(治療手順)の強弱の

   さじ加減が上手な先生が必要になる。

 

☑ 採卵して多くの卵が取れるが、採れた卵が全て

   成熟卵そして「正常胚」になる訳ではない。

 

☑ 卵胞の成長スピードが遅い

               など・・

 

 



PCOとPCOSの違い

 

      PCO(多嚢胞性卵巣)と、PCOS(多嚢胞性卵巣シンドローム)は違います。

      イラストのように月経異常や男性ホルモン(例 テストステロン↑)が高かったり、ホルモンバランスがLH優位になっている

      卵巣になると・・・「シンドローム化」してPCOSになります。

 

      日本人は外国の人のように10人に1人の割合でPCOSがいる体質でないので、男性化がつよくなったり、

      毛深くなったりするPCOSの特徴は出にくいと思います。

 

      《肥満体質》

      日本人は、どちらかというと高血糖(ブドウ糖が血液中にあふりかえる)からの肥満が多いと思います。

      肝臓の働きが弱いので、食後にご飯を食べて血糖値が上がった時に

      その上昇した血糖値を下げる為に、膵臓からインスリンが分泌して筋肉や肝臓に取り込むのが苦手な方は

      血糖つまりブドウ糖の方向性の問題になります。

 

      ブドウ糖はエネルギーになる為に「肝臓でストック化」できない場合は、行き場所を失った「生」のブドウ糖

      血液の中に逃げ込んだり、また、脂肪細胞の中に逃げ込んだりする訳です。

         ※ 「生」のブトウ糖という表現は、肝臓でストック化される為の「グリコーゲン(貯蓄糖)」の前駆体だからです

 

      「生」のブドウ糖のままだと脂肪細胞に入れないから、「中世脂肪」に化けてからぷっくりと脂肪細胞に潜んでゆく。

      そんなメカニズムを思い描いてください。

 

      公式: PCO +  α    = PCOS のとおり

           PCOSは、基本として多嚢胞性卵巣 にプラスアルファがたくさんついて、裾野の広いPCOSにになります。

           本当に裾野が広く、生活習慣病

                   (例、糖尿病、高血圧、妊娠高血圧、高脂血症、子宮体がんなどのリスク)に繋がります

    

         αの部分をコンパクトに柱を建てると・・

         1)LHが高いこと

         2)アンドロゲン過剰(=男性ホルモン)が高いこと

 

         この2つの柱に次のようなオプションがついてきます。

 

         ① 排卵障害・・・卵子の成熟力の低下や、着床力の不足(P4の力が弱い)

         ② 月経障害・・・高温期がない周期や、不正出血など卵巣がE2にさらされ続ける

         ③ インスリン抵抗性を持ってしまうこと・・・ 排卵機能の低下や卵子の成熟力の低下

         ④ 男性ホルモンが多い

               ・・・ DHEAが高い⇒テストステロンも高い⇒ 酵素(アロマターゼ)がうまく働かなく

                                      女性ホルモン(E2)にうまく変換できない

                   これは脂質代謝に異常に発展します。

                   ※肝臓での糖脂質代謝の異常は、脂質異常症といった生活習慣病に直結することは

                    よく知られています。糖尿病などです。

 

         などのプラスがついてきてPCOSになります。

 

         その結果、次のような生活習慣病のリスク

 

         ⑤ 高血糖 ・・・ 糖尿病体質 ⇒インスリン抵抗性

         ⑥ 高血圧 

         ⑦ 高脂血症

         

         その他


PCO体質だけど肥満ではない人

 

 肥満傾向の方ならば、運動ダイエット、糖質ダイエットなどで余計なものを削ってBMIを25以内に収めてゆくような

 削るところがありますが。

 

 日本人は痩せているPCO体質の人が少なくないです。 本人はここが一番苦労します。

 食事を削るにも限度あり、

 脂質管理(コレステロールから良質のE2やP4を作る代謝)までマイナス要因を広げる訳にはいかないからです。

 

 

 

 

このHPには、性ホルモンが産生されてゆくE2代謝やP4代謝から始まり・・代謝の話をたくさん書いているのには理由があります。

 

AMHが低い方も、逆にAMHが高い方もそれぞれ自分の代謝を知る必要があります。

代謝と投薬が分かれば、 そこに対応策が見えてきます。栄養管理です。

 

薬も代謝が悪いと効きません。

本来、短期決戦で投薬される体外受精。 反復不成功の方は・・薬が効くカラダに自分をもってゆくことが大切です。

 

 

 

 

 

 

これは、卵胞の中で男性ホルモン(T:テストステロン)が

CYP19A1(=アロマターゼ)によって

女性ホルモン(E2:エストラジオール)変換される図です。  

顆粒膜細胞(=GC, Granulosa cell)からFSHやAMHホルモンの分泌されます。

 

もっと上流の代謝を考える必要があります。DHEAよりも上、プログネノロンよりも上流を。


AMHは高いけれど・・

 

PCOがベースの方は、基本的にAMHが高いです。AMHがPCOやPCOSかどうかの判断するマーカーの一つになっている時代です。

 

《AMHが高いメリット

 

 前述したように卵胞の数が多いのはメリットです。

       AMHとAFCの関連性は、直感的でわかりやすいと思います。

       AFC(生理中に見える小さな卵胞の数)が多い ⇒ 採卵の母数が多い

       

       D3の卵胞の数がそのまま採卵までいく訳ではないので・・やはり高齢になればなるほど高AMHはメリットがあります。

 

     でも、ホルモンバランス次第です。

  

《AMHが高く、ホルモンバランスも悪い(LHが高い・男性ホルモンが過多)デメリット》

 

  ① PCOやPCOSの度合いによって、排卵誘発の選択肢が狭まってゆくこと

 

    AMHホルモンは、卵胞の顆粒膜細胞からFSHと一緒に分泌されています。

    AMH値が高いので、卵胞が供給される数が多いです、

    その為、卵胞の中に分泌されるE2も、卵胞の数が多ければ必然的に多くなります。

    つまり総和であるE2数値も高くなります。⇒OHSSのリスク

    

    排卵誘発を強い刺激にすると、卵巣が腫れるし、

    刺激を弱いと今度は十分に育たないジレンマあります。

                   

    その為、それぞれの成長サイクルに入ってくる卵胞のサイズも違うので取りこぼしも多い採卵になる可能性もあること

   

  ② 卵胞の成長に時間がかかること。 そしてその中の卵子の成熟にも時間がかかること。

 

    AMHは、卵胞の成長にブレーキをかける役割があります。SPEED感の問題です。

    その為、AMHが高いとそれだけ、卵胞が大きくするのを妨げる為に、卵胞の成長に時間がかかります。

     ブレーキはAMHなのですが、アクセルはFSHがです。

 

    ★この状態にホルモンバランスが崩れた高LHの加えると・・

 

    AMHとFSHの関係は負の相関関係(AMH↑ ⇒ FSH↓) ので、これにPCOの傾向であるLHが高い習性が加わると

    余計にFSH↓↓と低くなるため・・・卵を育てる力が弱くなる。

    FSHが低くなると、卵胞閉鎖が起こってくるのでそれだけ卵が育つには過酷な環境下になります。

 

    つまり、たくさんの数の卵胞があっても、うまく成熟ゾーンまで持っていきにくいこと。

 

  ③ LHが高い為に、中途半端なP4の上がり方をすること。

 

    LHサージのトリガーになるのは、E2のピークの高さです。

    AMHが高い方は、卵胞の数も高いので当然E2が高くなります。

    まだ卵胞が小さいうちに、トリガーが効いてしまい、十分なP4のゾーンまで持っていきにくいこと。

 

     ※ P4は、卵胞破裂の立役者なのでP4が弱いと卵胞が大きくなっても膜を破りにくくなります。

       また、P4は、子宮内膜を着床に適した状態(脱落膜化)にするトリガーにもなる為に着床が弱くなります。

 

  ④ 胚盤胞になりにくいこと。

 

    視床下部から下垂体にLHが分泌されるのですが、 通常よりも多く分泌されるということは

    LH受容体の数が少ないか、当然しつこく蛇口をひらいてLHが更に分泌される訳です。

 

    卵子の成熟に必要なLH受容体の数が少ないと成熟しない率も高くなり、遺伝子の発現も弱くなるので

    胚盤胞になりにくい例もあること。(∵ 遺伝子の発現がないと分化も弱くなります)

                        分化とは胎盤になる細胞と赤ちゃんになる細胞の役割分担の会話です。

     つまり、

     胚盤胞になりにくいので、一番妊娠率が高い胚盤胞移植という戦略を積極に採れなくなること。

    


AMHは大事ですが・・

「排卵」の二つの顔を知ることの方が妊娠の早道です

 

AMHが低い方は・・ 空胞や変性卵の原因を知り

 

AMHが高い方は・・ OHSS(卵巣過剰刺激・症候群)の原因を知ることが大事です。

 

実は・・ 以下の絵がキーワードです。  

排卵の瞬間の卵子 
排卵の瞬間の卵子

 

 排卵には、適度な炎症作用が必要です。

 

  大切なのは・・「適度な爆発」

 

 LHと炎症系のPG(プロスタグランディン)のパワーが必要。

 

 


排卵には二つの顔があります。

 

①卵胞の成長×卵子の成熟 

②炎症作用(プロスタグランディンとコルチゾールのツー・タッグによる適度な炎症)    この2面性が必要です。

 

治療中の方は、①の面ばかりをみており、②をあまり意識していません。

つまりLHと炎症作用がないと排卵はしません。炎症作用はOHSSや空胞、そして変性卵の理由を知る為には必要です

 

 

生理痛も炎症作用のプロスタグランディン(=PG)が原因。それに対して抗炎症作用で「炎症」を抑えるのがコルチゾール。

OHSS(卵巣過剰刺激・症候群)の原因も・・またPGです。

 

両者にはメリットもあれば、デメリットもあります。

前者はPG産生過程において、「活性酸素」を産出し、後者は「血糖値」を上昇させてしまう弱点もあるのですが、

人が生きる為に必要だからこの世に存在しています。

 

 ★ 詳しくは・・こちらをご覧下さい。

          ↑ CLICK 「排卵には二つの顔がある。適度な炎症系」