ホルモンの基準値Ⅰ   FSH/LH,  E2/P4

FSHが高い!FSHが低い!  対策を考える方へ
FSHが高い!FSHが低い!  対策を考える方へ

 FSHについてこんな悩みを持っている人は少なくないです。

 体外受精コーディネーターとして長年、働いてきてよく聞かれることです。

 

 ☑ FSHが高くて、閉経に近いのではないだろうか?

 ☑ FSHが高い

 ☑ FSHが高い原因は何?

 ☑ FSHが高いから、改善策を知りたい。

 ☑ FSHが高いから、上手く卵胞が成長しない。

 ☑ FSHは、自分と同じAMHと年齢の方だと・・D3(生理3日目)でみんなどのくらいなのだろう?

 ☑ 卵質を向上させたい。AMHが低くD3エコーでも卵胞は見えて1~2個だから。

 ☑ 早期閉経(POI)の気配が怖い

 

 

 ☑ FSH製剤(注射)の副作用は?

 ☑ FSH製剤の種類や、HMG製剤との違い(成分)

 ☑ FSH製剤の注射だけで、今回の採卵大丈夫なのだろうか?

 

 このように・・皆様の悩みがつきないのがLHホルモンよりもFSHホルモンだと思います。わかりやすいからです。

 

 このページでは、

 ・卵胞はどういうメカニズムで成長するのか?

 

 ・Day3のFSHが高い原因は何?

 

 ・その対処はどういうことをすべきなのか?

 

 

 

FSHは卵胞を育てるホルモンです。

 

 まずはシンプルモデルでE2によるFSHへの正のFeedbackを理解して下さい。

                                       E2↑ ⇒ FSH↑ 

 

     次に、       〃      負のFeedbacK のページをご覧ください。

                               ↑ 「FSH/E2ホルモンの基準値Ⅱ」

 

                                 (排卵誘発のプロコトルを知る基礎知識になります)

     

        

 

 ホルモンの基準値のページは、2部構成になっています。

           1)ホルモンの基準値Ⅰ  ー シンプル・モデル ー               ← 当該ページ

           2)ホルモンの基準値Ⅱ  ー E2によるFSHへの負のFeedback・モデル ー

 

   この2つのがE2の代謝系です。

   もうひとつP4の代謝系のモデルがあります。

 

   卵胞がまだ卵子を抱えている間に、採卵前から P4の代謝系のモデルが見切り発車でスタートをしてゆくので

   ここが上手に出来るにはホルモンバランスが、(1)がきっちりとして、生理が終わった頃から(2)がきっちりとして

   卵胞期後半に「P4代謝系」がきっちりとしなければいい卵も育たず、

 

   高温期(着床期)ではE2とP4がバランスが上手く育たなくなってしまいます。 これらをページを変えて説明してゆきます。

 

 

            ☆          ☆          ☆          ☆


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 ★こちらのモデルでは、以下の2つが入ってきます。



↑この螺旋階段は、 「卵胞の成長のクセを示す螺旋階段」です。 

     

     そして・・勾配も、階段の数も個人個人違います。

          

 

 

   

 あなたは、自分の排卵のクセを説明を人に説明できますか?  

 D3のFSH・LH・E2はあなたのホルモン基礎値。 問題はそこから動きです。卵胞の発育スピードや排卵のクセをつかみまよう。

  このページの最後に、「排卵のクセを知る6項目」を説明しています。

 

 

 

「なんかホルモンの話は、難しいし・・別にホルモンの動きを学ぶ必要をあまり感じない。」

「仕事や家事でやることがあるし・・不妊治療の情報収集を選別する目を養う時間が取れない。」

                               ・・・・ そう思っている人もいるのではないでしょうか?!

 

「全部を病院任せにしていれば、あとはオートマチックに妊娠まで導いてくれるのでは?」

 

                               ・・・その為の高額な体外受精なのだからと思う人。

 

 残された時間(いい卵子が巡っている頻度)に余裕があり、また治療資金、治療に時間を割く為に会社を抜ける余裕がある人と

 余裕がない人がいます。

 

 不妊の原因が明確(例、排卵障害等)で、時間が余りかからずにその問題が解消されるならば

 自分の排卵の癖やホルモンの癖を知らなくいいと思いますが・・でも・・

 

 年齢が高くなったり、卵の供給量であるAMHが低くなってくると、 「卵胞の成長スピード」が大きく変わってきます。

 「卵胞の成長スピード」が変わるというのは、「卵子の成熟度」も変わるということです。

 階段の途中に浮かぶ・・水たまり(シスト)も出来てきたりもします。 

 螺旋階段の絵ですが・・ この階段に、D3、D8、D12とそれぞれのクセがあるから、体外受精の難しさがあります。

 

 採卵出来た卵が、全て赤ちゃんになる卵だったらならば、いいのですが・・そうではないし

 着床前診断(PGT-A)をして、卵子という細胞の「核」にあるDNAを調べてもそれが着床・妊娠を100%を保証しない。

 核の外にある細胞質や細胞膜の問題もあるからです。

 

 

 

 


生理サイクルとホルモンの基礎

 

  ホルモンの動きをすごく簡素化して説明しています。 上位の部位からホルモンは出るだけです。

 

  実際は、ホルモンの放出・・命令だけでは卵巣が疲れてしまうので、負のフィードバックとして出し過ぎた蛇口を締めるように

  お願いがかかったりします。

 

    例)D8あたりから卵胞選別が始まり排卵する為の卵が一個になるように E2↑ ⇒ FSH↓⇒ 卵胞選別 などです。

                                     ________

                                     E2による負のフィードバック

 

  ここはややこしいの今は、外して説明していきますね。ポイントがぼやけますから

             (負のフィードバックの話は、イラストから一時抜きます、こちらにになります。)

                                         ↑ FSH/LHホルモンの基準値Ⅱ

 

  ページの最後で水道の蛇口の開け締めの図にて説明します。年齢の高い患者さんは、この水道の話が大事になります。

 

         P4の排卵抑制(FSH↓ LH↓)のイメージは、妊娠中のP4の上昇をみてもわかると思います。

         妊娠していない時の高温期のP4は10~15程度ですが、妊娠時は200~300pg/mLにも上昇します。

         したがって、P4の排卵抑制は、セトロタイドのようにグっと効く訳ではないです。

 

         皆様が車の教習所で習った「ポンピング・ブレーキ」のようにポン!ポン!とパルス状に排卵ブレーキが

         高温期から育とうとする卵胞にブレーキをかけます。

                          

                              ↓ LHサージ

 

                     卵胞期※      排卵期     黄体期

                    _____     _____   _____

                     低温期               高温期

            

                ※卵胞期には

                「前期」と「後期」があります。

                 以下の基準値を参考にして下さい。レンジが広いので少し絞ったのが「正常値」です。

  

 

上記の表は、「基準値」ではありますが、クリニックが個々に持つ「正常値」はもっと絞り込まれます。
上記の表は、「基準値」ではありますが、クリニックが個々に持つ「正常値」はもっと絞り込まれます。

【上記イラストの絵を見るポイント】

 

   1) 卵胞期・排卵期・黄体期の世界観がそれぞれある。

 

      卵胞期は、E2(卵胞ホルモン、エストラジオール)がメインの世界であり、

      排卵期は、LHがピークを噴水のように示す世界であり

      黄体期は、P4の世界であること。

 

   2) 卵胞期には、前期と後期があり、後期では卵胞選別によって1個の卵まで絞られる。

  

      卵胞期は、前半(D1~D8あたり)と、後半(D8あたりから排卵の直前)まで世界が変わること。

      生理中に見えた複数の卵胞が、人間の女性は排卵する卵が一個まで絞られる為に「卵胞選択」が行われて

      主席卵胞以外の2番目に大きい卵胞も育たないようなメカニズムが働いていること。それが「排卵期・後期」の世界。

      体外受精の研究で、動物のテストが人間にそのまま当てはまらない人間独特の世界観があること。

 

   3) 排卵期は、E2ピーク⇒LHサージ⇒FSHサージという3ステップを経て排卵に向かう

 

      排卵期は、3ステップあり

      E2の第一の山のピークが、LHのサージ(=波)を引き起こし、さらにFSHのサージ(=波)を起こしてゆくという

      地震にも似たメカニズムがあり、それぞれのベストが無いと妊娠のベストは起こらないこと。

       

 

   4) 高温期は、P4の世界!妊娠する人に恩恵がある(体温が落ちない)

 

      高温期はP4の世界だが、P4は排卵前のまだ卵胞が「卵子」を抱えている頃からP4は動くことにより

      着床するような卵子づくりをしている。

      もちろん、着床期に胚(受精卵)を確実に受け入れる準備をしています。

 

   5)高温期は、P4の世界!妊娠しなかった人にも「次の周期」を良いものにする

     ”恵み”を与えてくれる。 

       

      《妊娠不成功の時》

      カラダは、次の生理の準備を淡々としている。

      高温期は当然P4が高いのです・・

      P4が 高温期でさえも育とうとして卵胞が成長サイクルに入ってくることをセーブする恩恵を与えています。

 

      このセーブが弱いと翌周期にいつもDay14採卵だった人がD6採卵!という採卵が早まったり

      するという「生理サイクルと卵胞の成長サイクルのズレ」を生じてしまいます。

 

 

 


5つのホルモン (FSH/LH,  E2/P4,  PRL)

 

   各種ホルモンのDay3の「基準値」を示しますが、 「正常値」とは違うので目安の正常値を記しておきます。

 

 以下の文章は、D3の基礎値として把握ですので、D8、D12の「数字」は記していないので注意して下さい。

 

 卵胞期の前期の基準値ということになります。

 

 また、排卵誘発剤を使用していない(自然周期)のケースですので、ピルやカウフマン療法、FSH調整法を入れた

 

 ケースとは異なります。

 

          卵胞期前期・卵胞期後期・排卵期・黄体期と今は自分はどこにいるのか?把握して読んで下さい。

 

          ホルモンの話がわかりにくいは、この現在地MAPがよくわからなくなるからだと思います。

FSH(卵胞刺激ホルモン)  Day3 基準値:3.5~12.5mIU/ml

 

   「卵胞を育てるアクセルの働き」をする。

 

FSHは、脳の「下垂体」から分泌されるホルモンであり、卵胞を大きくしてゆく作用があります。

月経中のFSH値から卵巣の予備能がある程度は推測できます。 

基準値を超えている場合は卵巣が大きくならない為に、更に大きく使用と分泌過剰になっていることから、「卵巣機能」が低下している

と考えられます。 以下のLHとのバランスが大切であり、LHを1とするとFSHが2倍以下になっていると良いです。

 

 

LH(黄体化ホルモン)   D3基準値:1.5~8.0mIU/ml

 

LHは、脳の下垂体からFSHと同様に分泌されるホルモンであり、2つのホルモンのバランスが大事です(上述)

LHは、排卵を起すホルモンです。黄体形成ホルモンと呼ばれるのは、LHとP4(黄体ホルモン)の密接な関係があるからです。

 

LHが上昇すると、排卵が近づいていることを意味します。噴水のような動きをします。

皆様が排卵前に使う排卵検査薬では、尿中のLHの上昇(=LHサージの度合い)を見ています。

排卵が近づいているだけではなく、卵子が成熟しつつあるか?を示すバロメーターの一つにもなります。

また、FSHと協力して排卵直前の卵胞の成長にも、深く関与しています。

 

 

E2(エストラジオール、卵胞ホルモン) D3基準値:20~85pg/mL

 

E2がエストゲンとも言われるのは、エストロゲンはE1、E2、E3と3タイプあります。

その中で、卵胞を育てるのには一番パワーがあるのがE2です。

卵胞の発育以外には、子宮内膜を厚くしたり、おりもの(頚管粘液)を増やしたりする作用もあります。

全身を駆け巡る皮膚や髪の毛に潤いを与えたりと若かしさを維持するホルモンの為に、「美のホルモン」とも呼ばれます。

 

卵胞が育つと卵胞の中にE2が分泌されてゆくので、E2の値が高くなります。※E2の高さには個人差があります。

卵胞の成長をE2の上がり具合から自分の排卵の癖を掴む必要性があるのはこのたためです。

 

排卵直前は、卵胞@一個@付きE2が約250程度になりますが、AMHが低い方だとその高さのE2では卵子は成長しないので

もっと高いE2値を要する人も多いです。

 

生理周期でのE2のピークは、2つあり、

最初の「山」は排卵の前にLHサージ(排卵の引き金をひく)きっかけをつくります。

排卵後は、その「山」は過ぎて、E2カーブは落ちてゆきます。

 

そして、着床に向かって「第2の山」に向かいます。着床する為の子宮内膜を厚くする働きがあります。

しかし、その厚さを維持する為にはE2単独では力不足であり、子宮内膜を維持する為のP4との共同作業が必要です。

 

P4(プロゲステロン) D3基準値:0.92pg/mL以下

            (普通は生理中は、P4は1.0pg/mL以下となります。)

 

P4は、黄体ホルモン、別名「妊娠ホルモン」と呼ばれます。

着床をしやすく内膜の環境を整えるホルモンです。

排卵前から少しずつ上々して高くなり、排卵後に卵胞が卵子を排卵して「黄体」になった後から本格的にP4を分泌します。

高温期で、子宮内膜の厚さを維持する必要なホルモンです。

 

P4には排卵を抑制するチカラがあったり、着床期に子宮内膜を脱落膜にかえて、大切に育ててきた受精卵をお迎えします。

「脱落膜」というのは、出産する時に胎盤がお母さんのカラダから出てきますが、9ヶ月もの長い間にわたって赤ちゃんとのやり取りを

する膜です。その胎盤の形成準備が、着床期の子宮内膜に少し始まっていることを意味します。だから「脱落膜化」にトリガーに

なるのはP4になります。

 

 

PRL(プロラクチン、乳汁分泌ホルモン)基準値:4.9~29.3mIU/ml

 

脳の下垂体から分泌されるホルモです。

本来は産後分泌され、赤ちゃんの為に母乳を出させるホルモンです。その為に産後はまだ妊娠しないように母乳がでます。

PRLが高いと不妊症の原因(無排卵・無月経・黄体機能不全)につながりますのは、そうした理由からです。

 

また、卵胞を育てるには、PRLの適度な高さが必要にもなります。

PRLが高すぎる場合は、内服薬で適正値まで落とす場合もありますが、落としすぎると卵が育ち難くなります。

 

《参考》 PRLはTSH(甲状腺刺激ホルモン)と連動していることも覚えていて下さい。

     TSHは妊娠したら誰でも高くなり7Wあたりに自然と落ちてくるホルモンです。

     PRLもTSHも妊娠したら高くなるということは、妊娠する前にそれが高いとあまり良くはないわけです。

 

◆AMHの基準値

AMHは、かなりばらつきがあります。

AMHは、卵子の在庫と呼ぶにはかなり無理があります。

    卵胞の供給量であり、そして卵胞の発育に関して 

    FSHが卵胞の成長に対して促進(+)に対して

    AMHは、抑制(ー)に働くブレーキの働きをします。

    E2はAMHに対して抑制(ー)に働きます。

 

    その為、AMH値は、排卵誘発をする際に大切の指標。

    そして卵巣の予備能を知る一つの物差しです。

 

    詳しくは、「AMHの秘密」に絵を使って説明しています

            ↑当該ページへ

 

 

  年齢が高い方でもAMHが高い方もいます。

  生理中に見える小卵胞の数(=AFC)とAMHは

  正の相関があります。

  



Day3・8・12でのホルモンの動き

 

卵胞の成長の目的は、卵子を成熟化させるためです。

 

卵子が成熟しなかったら、意味がないです。

 

卵子を成熟化させるためにホルモンの分泌に個人差があります。

 

それを「卵胞の成長」の螺旋階段で見てゆきましょう。


 卵胞が一個にだけ絞られて排卵する自然周期の場合で説明します。

 

 

Day3: FSH上昇によって、卵胞が大きくなる(E2↑)

 

     前周期の高温期でP4の上昇で、卵子の成長が押さられた卵胞は、生理を迎えた頃には

     FSH↑(卵胞を育てる力)が上昇してきます。

 

     あまり高すぎると卵胞が育っていないからFShを更に放出して卵胞を育てようとガミガミと起こる母親に対して

     子供はまったく言うことを聞かない状態の低E2です。

 

     LHもある程度の高さ(FSHの半分から3分の1程度)がありFSH>LHになっていないと

     D8あたりで卵胞が成長するのに足をひっぱってしまいます。

 

 

Day8: LHが微妙に上昇して、「卵胞選別」が始まる

               《E2↑⇒FSH↓というE2による負のフィードバック

 

     このあたりからLHが上昇してきます。

     卵胞を育たせるには、FSHだけでもいいのですが、卵胞は大きくなったけれど中身の卵子は成熟しないとか

     卵子が空っぽ(空砲や変性)だと困るのでLHが上昇してきます。

 

     LHはP4と水面下で連動しているので、数値上昇には現れないが(もちろん基礎体温の上昇にも)

     P4が卵子の回りを包んでいる細胞を経由して卵子を成熟モードにいざなっていきます。(P4の機能的黄体化

 

     

     LHとFSHはパックなので、同時にFSHの動きはどうか?というと

     Day3の時に見えていた複数の卵胞を、1個まで絞るために卵胞が快適なFSHがたくさんある環境からFSHが少ない

     環境に変えてゆきます。  E2↑⇒FSH↓( ⇒  その環境では育たない卵胞が死んでゆく。

 

Day12:    「 卵胞」が排卵準備に入り、「卵子の成熟」が進む

     

     この日までに卵胞は18~20mm程度になり

     E2も250程度に上昇しています。

 

     FSH↓をずっと続けてきて、LHも10以上と上昇してきたので、排卵という大舞台を演じる夜明け前の状態です。

     

     E2の山のピークがきっかけになり、それに連動してLHサージ、さらに連動してFSHサージと

     2つのゴナドトロピン(FSHとLH)が噴水のように吹き上がってゆき、排卵day14を待ちます。

 

 

  ★排卵を促進(LH↑)するトリガーであるhCG筋注の働き

 

   【イラストの着眼点】

     1)排卵は、E2の第一の山(黄色)を超え、 LHの山も超え、てやってくる。

       つまり、排卵済みの場合は、E2もかなり落ちている。そしてP4(紫色)は上昇気流の中にいる。

 

     2)この絵は排卵促進のトリガーとしてhCGのみをつかっている「シングル・トリガー」であるが

       点鼻薬(スプレキュアやブセレキュアなど)の方が体質的に合う人いるということ。

  

       どっちが合うのかわからない場合は、両方のトリガーをかける「ダブル・トリガー」も存在すること。

       それはW効果だからパワフルになるというのではなく、取りこぼしをさける為の手段であること。

 

     3)排卵のタイムテーブル

       排卵は、E2サージ(=E2の第一の山を超える)から、ほぼ2日後におこり

           LHサージからほぼ1日後にだいたい起こるので、それを見越して

           採卵前に、排卵をしないように鎮痛剤(ボルタレンなど)で排卵時間を調整しながら

           点鼻薬やhCG筋注が入ってくる訳です。

 

       排卵促進を効果的に狙ってくるのは、このD12 D14の数日間で卵子の成熟が変わってくることを意味します。

       

       卵子の成熟については、こちらを参照のこと。

                   ↑「採卵前のP4代謝系」のページ。

                     上記イラストの紫色のP4カーブがいかに卵子の成熟に重要かを記しています。

 

 

Day14: 排卵 (その前に採卵ですので、Day12のトリガー日にスプレキュアや、hCG筋注などをするのが一般的な採卵です)

 

 


卵子の熟成(GV卵→MⅠ卵→MⅡ卵)

下のいびつなイラストは・・ 卵子が卵巣の中で成熟していく過程を示しています。

 

   成熟卵   (=MⅡ卵)   →  受精可能です。

 

   少し未熟卵 (=MⅠ卵)   →  受精は出来ません。 受精させるのは、少し体外で成熟させる必要があります。

 

   かなり未熟卵(=GV卵)    →        受精出来ません。  こちらも受精させるには、少し多めに体外で成熟させる必要あり。

 

   変性卵   (=D )    →  受精ステージに上げることも出来ません

 

   空胞    (=E)     →  卵子空っぽです。

                               顆粒膜細胞が卵胞から剥がれなかったなど様々の原因があります。

 

 

 

  〈図の解説〉

 

   GV卵は、中に「GV核」と呼ばれる大きなまるまるとしたものが消滅しないと、MⅠにはなりません。

   次に

   MⅠ卵になると、その「GV核」が綺麗に消えています。

  

   次に・・初めて受精能がある成熟卵になるには、「第一極体」が放出されないとフリカケもICISIも出来ないです。

 

  大切なのは・・水色の膜である「透明帯」です。

  

   これがしっかりとあるから卵子が成熟してゆきます。

   しかし、M1(未熟卵)経由のMⅡ卵では、通常のMⅡ卵に比べて、その透明帯が硬いのでフリカケはできずにICSIになります。

 

   また、通常のMⅡで採卵しても、老化したエイジング・エッグでは、MⅡでも透明帯が硬いということがあり得ます。

   ここに、通常の針を使うICSIではなく、針を使わないピエゾ・ICSIなどが生まれてきました。

   卵子の細胞膜や細胞質に負担をかけたくないからです。

 

 

   ※ 空胞・変性卵の原因5つ対策は、  こちらのHP記事で書いています。

                       ↑「空胞・変性卵の原因5つと対策」

                  

   


妊娠ホルモンP4の代謝系のはなし

採卵前、P4のコルチゾール化が怖いのはなぜ?
↑ アイコンにリンクあり

 

卵子の成熟にはLHが必須です。

D3ではなく、D8あたり。

 

卵胞の中に溜まってくるのはE2、P4(黄体ホルモン)

そして、P4から代謝してゆくコルチゾール。

 

採卵前のP4のコルチゾール化が怖いのはなぜ?

 

 詳しくはこちらをご覧下さい。

      ↑「採卵前P4のコルチゾール化」

 


体外受精を成功させる為に「排卵」の二つの顔を知る

排卵の瞬間の卵子 
排卵の瞬間の卵子

 

 排卵には、適度な炎症作用が必要です。

 

  大切なのは・・「適度な爆発」

 

 LHと炎症系のPG(プロスタグランディン)のパワーが必要。

 

 


排卵には二つの顔があります。

 

①卵胞の成長×卵子の成熟 

②炎症作用(プロスタグランディンとコルチゾールのツー・タッグによる適度な炎症)    この2面性が必要です。

 

治療中の方は、①の面ばかりをみており、②をあまり意識していません。

つまりLHと炎症作用がないと排卵はしません。炎症作用はOHSSや空胞、そして変性卵の理由を知る為には必要です

 

生理痛も炎症作用のプロスタグランディンが原因。それに対して抗炎症作用で「炎症」を抑えるのがコルチゾール。

 

両者にはメリットもあれば、デメリットもあります。

前者はPG産生過程において、「活性酸素」を産出し、後者は「血糖値」を上昇させてしまう弱点もあるのですが、

人が生きる為に必要だからこの世に存在しています。

 

 ★ 詳しくは・・こちらをご覧下さい。

          ↑ CLICK 「排卵には二つの顔がある。適度な炎症系」


体外受精! 自分の排卵のクセをつかんでいますか?! 【大切】

          排卵のクセを知る6つランプを意識することで、体外は変わります。

            卵胞はただ大きくなればいいのではなく、卵胞の中にある「卵子」 が成熟しなければいけないと話しました。

 

            そうした姿勢が 主治医の先生からより良い治療を引き出すことになります。

            詳しくは、こちらで丁寧に説明しています。特に PCOやPCOSの方には必要な知識です。

                  ↑

                 排卵のクセ6項目【大切】

 

卵子成熟を実現させる本当の排卵メカニズム
卵子成熟を実現させる本当の排卵メカニズム

排卵って・・凄く大事です。

  ●卵子の成熟

  ●卵胞を破り、腹腔に出る

  ●卵巣を弱らせない



FSHが高くて閉経を心配している方へ

閉経の前に

 

    閉経になるまでには、6ステップがあります。

 

    いきなり閉経が来る訳ではないです。 FSH上昇の数値を心配している方も多いと思いますので

 

    こちらに詳細を書いています。

     ↑

    「閉経とFSH上昇」のページへ。

    

    FSHの落とし方にはどういう方法があり、そのリスクは何かを記述しています。

 


ミトコンドリアのATP産生と活性酸素の製造

細胞死を司るミトコンドリアDNA
↑ 当該ページへリンク有   CLICK

初期胚の期間と3日目から胚盤胞になる期間のエネルギーは

違いますが、ミトコンドリアは、エネルギー(ATP)を作ります。

 

 ☑ 分割が止まってしまった

 

 ☑ 受精出来ない

 

 ☑ 胚盤胞にならない

 

 

 答えは、ミトコンドリアのマトリックス(黄緑部分)の

     クエン酸回路の中にあります。

 

 

「やみくもに、サプリをとらないって大事なのよね」

「排卵した卵子が、一気にミトコンドリアDNA数を落とすには

  理由があるのよ」

卵質の良い卵を採卵したいと考えた時に・・

 

「ミトコンドリア」を考える方は多いです。  イラストのようにミトコンドリアはDNAを持っています。

 

 採卵・受精した後に完成する胚(=受精卵)もその分裂の為のエネルギーは、ミトコンドリアから供給されます。

同時に、「クエン酸回路」からは活性酸素も製造している。

 

細胞死(アポトーシス)に導く時限爆弾のスイッチすらも管理

しているのがミトコンドリアDNA。

 

 ミトコンドリアが古代共生バクテリアの末裔として

今でも核と対等に渡り合い、予想を越えて、細胞の増殖にまで深く関わることが明らかにされています。

 

ミトコンドリアDNAは、核DNAはに細胞の増殖のサインを送り、また細胞死も司っています。

 

⇒ ミトコンドリアDNAは、

  核DNA(卵子経由のDNAや精子経由のDNA)を

  コントロールしている。

 

        ★  ★  ★

 

① 詳しくは、こちらをご覧下さい。

      ↑「細胞死(アポトーシス)を司るミトコンドリア」

 

 

② 良い卵子と悪い卵子の違いを知りたい方は

     こちらのページもご覧下さい。

      ↑ 「卵子の質と染色体」

 


「卵子の質と染色体」 着床前診断 PGT-A 反復流産と反復不成功の方へ
「卵子の質と染色体」のページへリンク有り ↑ CLICK

妊娠ホルモンP4は・・着床準備と着床の鍵になる

 今!あなたはどんなアプローチを取っていますか??

 

 血流を良くする為に、栄養バランスを整える為に・・・ 大切なのは妊娠するメカニズムを知ること。

 

 そして、それを実現してくれるドクターから、そのドクターの最高の医療を引き出す患者力を持つこと。

 

 今までとは、全く違った「アプローチ」をする自分に気付いてきます。

 

 

 

上記の絵は、

「着床直前の受精卵(=胚盤胞)が、子宮内膜に「着床」してゆくシーンです。

 

まるで人工衛星が、月面に到達するような感じですが・・

 

着床する瞬間の子宮内膜では様々が準備がされています。 着床といってもステップがあり

    1)胚盤胞と子宮内膜の表面の細胞の信号が合っていないとならない  (=胚対立)

    2)胚盤胞と子宮内膜と接着しなければならない           (=胚接着)

    3)着床した後に胚盤胞が子宮内膜の奥に浸潤していかなければならない(=胚浸潤)

 

ここでは簡単に、説明しますが

 

    1と2を実現する為に次のような条件が必要になります。

 

条件1:子宮内膜の前脱落膜化を実現させる為に、子宮収縮をおこさせないこと。《地殻変動はしない》

 

    子宮内膜の前脱落膜化を成功させる為に・・ 地面(子宮内膜)は地殻変動のように子宮収縮を起こしてはならない

    ようにE2とP4がともに協力して、着床期の子宮内膜を整える。

  

 

ホルモン名 分泌する場所 排卵 子宮収縮
E2 卵胞(卵胞の顆粒膜細胞) (+)排卵の促進 (+)子宮収縮の促進
P4

黄体(卵胞の黄体化した顆粒膜細胞)

(ー)排卵の抑制 (ー)子宮収縮の抑制

                                                   ↑

                                               ここの部分です!!

 

        地殻変動を起こさせようとするE2に対して、P4がそれをセーブする働きです。

        その為に、子宮収縮などを引き起こすような”炎症”があったらいけない訳です。

     

        P4は、子宮収縮をおこさせないばかりか、

        脱落膜化のトリガーを全て握っているから、「妊娠ホルモン」と呼ばれます

 

 

 

        

 

条件2: 低酸素環境 と血流ダウン 

  

        カラダは、それを実現する為に着床期の子宮内膜の血流をダウンしてゆきます。

        酸素が運ばれて来てしまうから、血管と子宮内膜の表面の距離が遠くなるように子宮内膜を厚くして

        低酸素環境を作ってゆきます。 (酸素がいるのはまだ先になります)

 

        子宮内膜の炎症を起こさせず、酸素がたくさん集まってこないように血流を落とし、血流のピークは

        排卵近辺にのピークを持ってくるようにカラダは出来ています。

 

        血流が必要なのは、着床して少し後の世界だからです。そこには「胎盤形成」という大事業が行われます。

        その胎盤形成の前の段階が、今なのです。

         

        赤ちゃんには栄養を!血流を!というイメージから、胚盤胞の着床にも血流を!と流れになったのかも知れません。

 

条件3: 着床する為の「糊(のり)」

 

        ぺたっと貼るノリです。高分子の「糖鎖」が受精卵が子宮内膜へのノリの働きをします。

        その為に、まだ低温期だった頃の子宮内膜と違って・・着床期の子宮環境はよりパワフルなエネルギーの源である

        「グリコーゲン」が広いこの子宮内膜全体に満たされてきます。

           

        受精卵は、卵管にいた時の後半(8分割から胚盤胞になるまで)に必要としたパワフルな「グリコーゲン」環境が

        この時も遠く離れた子宮内膜に「同期」させてきて準備をさせてきます。

 

 

そのほかにも、 白血球の侵入(=抗体の話等)など、色々と条件はありますが・・まずは3つの条件を書きました。

        

 

        

 

        それが・・「着床の直前の子宮内膜」の今なのです。

        胚盤胞になるまでに、受精卵は人間を構成するどんな細胞にもなれるという「分化」を済ませたたくましさを

        もっています。

 

 

 

        0.20mmにも満たない小さな赤ちゃんですが・・透明帯と言われる神様の家の中でたくましく育てられ

        その透明帯を脱ぎ捨てて、大海原に飛び出してゆく子が、あなたの赤ちゃんです。

 

 

        日本では、7歳の誕生日を迎えるまでは、子供は神様の子と言われています。

        神様がその時までずっと守ってくれていると思い、機が熟したら赤ちゃんを渡してくれると信じて

        今、着床の為に・・今出来ることは積極的にやりましょう。

 

 

        その前に、着床出来るような受精卵を作らないとならないです。

 

        赤ちゃんになるような卵と、エイジングした卵とどこが違うのでしょうか?

         

        胚分割のスピードも、卵子の質とはそのまま正の関係があるわけではないです。

 

        培養後のスピードが遅くても、DNAの傷(=染色体異常)がなければ・・その子はこの世に生まれてきます。

 

        


このページ(ホルモンの基準値Ⅰ)の続きはこちら

                 「FSH/LH ホルモンの基準値Ⅱ」は・・こちらになります。

                           

    

       FSHが高い!またはFSHが低い!その対策をしたいという方は非常に多いと思います。

       排卵誘発のプロコトルにおいては

       FSHとLHのバランスが大事になります。この2つは同時に見ないとならないです。

 

       D3のFSHとLHのバランスがよくても、その後 D8そしてD12で どうそのバランスをコントロールしていくか?が

       良い採卵をするしないを決めます。

 

       妊娠ホルモンと呼ばれるP4をどのタイミングで誘導してゆくか?(卵胞期の卵胞内の機能的黄体化)が一番大事に

       なります。

       まだ、排卵しないうちに・・黄体を刺激する黄体刺激ホルモン(LH)の立ち上がり具合が鍵。

 

       そのような抜本的な記事になります。

       卵質は刺激方法や培養によって変わる現実があります。

 

       E2によるFSHへの負のFeedback不良の方たちが、LH受容体の発現に苦労しています。

       HMG製剤やFSH製剤のタイミングに、LH受容体の発現のタイミングがついてこないから

       高齢妊活者の個人個人にあったプロコトルのセッティングが難しいのです。