高温期ではない!黄体機能不全 Ver.2

高温期だけではない!黄体期機能不全
高温期だけではない!黄体期機能不全

 

一般不妊治療(タイミングや人工受精AIH)では、基礎体温(BBT)を眺めて・・次のように悩む人も多いと思います。

 

        1)高温期への体温の上がりが鈍くて何日もかかる

 

        2)低温期と高温期の温度差のバランスが悪い気がする。0.3度の差はあるけど・・全体的に高い気がする。

 

        3)着床期あたりで基礎体温が「M字」にストンと落ちる。

 

        4)高温期が続かない。

 

内服薬のP4製剤では・・採血のP4値に反映されない事は、分かっているけれど、P4が気になる! 

 

        そんな時は、「P4製剤の特徴」をしっかりとつかみましょう。

 

        P4製剤の特徴が決まれば・・BT5や高温期11日目のE2値(エストラジオール)の特徴も変わってきます。

 

 

        BLOG記事:「デュファストンとデュファストンの違い (男性ホルモンアンドロゲン受容体の差」

 

                  ↑ CLICKで当該記事へ。

 

        黄体ホルモン製剤は、「P4を上げるだけだと思っていませんか?」

        それならばなぜ? 各種の黄体ホルモン製剤があるでしょうか?

        P4を上昇させるのは、黄体機能の作用である「プロゲストーゲン」を作動させる為に

        P4というホルモン凸と P4受容体凹がポコっと合体して初めて黄体作用を促します。

 

        デュファストンには男性ホルモンアンドロゲン受容体に、薬が作用しませんが

        ルトラールには、 そのアンドロゲン受容体に作用する特徴があります。

 

        アンドロゲン分泌が増加すると・・脂肪細胞が動いてきます。

        だから太る訳です。

        だからE2に変換されて・・ ルトラールではE2産生の伸びしろが出てくるから、高温期が伸びてくる訳です。

       

       こんな感じですね。 ↓

 

        


黄体機能不全の指標ってナニ?

 

最近は、「黄体機能不全」という言葉もあまり使われなくなりました。

 

それは「黄体機能不全」という概念が、高温期のみに「原因」と「結果」があるのではなくて

 

原因が「低温期」にも、そして「排卵期」にもあるからです。 

 

長らく黄体機能不全の指標として P4値が10pg/mLを目安に測定されてきました。

 

もちろん、着床期の子宮環境のE2/P4 バランスは大事です。 判定時にも採血される施設は多いです。

 

黄体機能不全には狭義の意味と広義の意味があるので・・一般的に思われているホルモンP4の分泌異常でだけないです。

 

このページは、そんな黄体機能不全の「原因」に掘り下げてみます。 

 

そして、「結果」である黄体機能が上手く働いていないを考えるページです。

 

 


狭義と広義の「黄体機能不全」がある。

 

《対象》 不妊症(反復不成功)、反復流産&習慣性流産

 

《頻度》 不妊症(反復不成功)  ⇒ 10~50%

     反復流産&習慣性流産 ⇒ 25~60% で見られる

 

《狭義の黄体機能不全》

 

     黄体からのホルモン分泌に異常がある狭義の意味。

     黄体機能不全(狭義)とは、黄体からのP4の分泌不全により、

     子宮内膜の分泌変化(増殖期⇒分泌期いわゆる着床期)が完全に起こらないもの。

 

《広義の黄体機能不全》

 

     黄体からのホルモン分泌に全く異常がなくても子宮内膜の分泌変化に異常があるケースもあり

     子宮内膜変化の異常(=子宮内膜機能不全)も含めて黄体機能不全と広義の意味も有している。

 

    ・黄体からのプロゲステロンの分泌不全によって引き起こされる着床障害

    ・分泌期子宮内膜自体の異常によって引き起こされる着床障害も含まれる。

 


基礎体温(BBT)って体外でも取るべきか?

クリニックによって基礎体温(BBT)を計ることに関する考え方が違います。それは体外受精ステージに進んだ後もです。

 

A)「ストレスのなるから、基礎体温を測らなくていいよ。」とか

  「基礎体温はあまり、正確ではないからね」とか言われてことがある人もいれば・・

 

B)「基礎体温は、体外受精でも必要です」とか言われた人もいると思います。

 

 

基礎体温★肯定派

 肯定派ドクターX
 肯定派ドクターX

「基礎体温は、体外受精でも必要です」

 

 

基礎体温☆否定派

否定派ドクターY
否定派ドクターY

「ストレスのなるから、基礎体温を測らなくていいよ。」

 

「基礎体温はあまり、正確ではないからね」


 

 

 

ドクターYたちは、体温を上げる(P4が4ng/ml以上になると体温が上がり始める)黄体ホルモンの分泌がパルス的だからという

理由だと思います。パルスとは間隔とか振り幅があるから当てにならないと考えている。

 

 体温の上がり方がゆっくりだったり、高温期のある一定の時期になるとストンと体温がおちて高温期がM字になったり・・

移植をして黄体補充をしているのに体温が落ちてくるのに気持ちが一喜一憂して

ストレスフルになるのをさけてあげたいと優しいDr.Yたちは思うのでしょう。

 

一方

ドクターXたち.は、ちょっとしたサインも見逃したくないという考えからだと思います。

 

タイミングや人工受精の時は、基礎体温をしっかり測っていて、体外になったら測らなくなった人は多いのでないでしょうか?!

「ちょっとしたサイン・・」その意味がとても深いのです。

 

そうしたDr.Xは、いわゆる難しい難治性の患者さんを診ているDr.です。

自然周期ならば早期黄体化がCD何日目に起こっておかしくないからです。 年齢の高い方ではそうしたイレギュラーが存在します。

 

P4というのは、黄体ホルモン、プロゲステロンとか言われます。

LHととても関連が深いホルモンです。 LHは「黄体刺激ホルモン」という名前ですので、

「卵子を抱いたままの卵胞が、「黄体」へ移行する為のホルモンです。

 

LHという排卵を促すホルモンというざっくりとしたイメ―ジを持っている方が多いと思います。

このイメージだと、卵胞が「排卵」して卵子が飛び出て・・「黄体」になってそこからP4が出てくると思ってしまいガチです。

P4は、まだ卵子が排卵をしない状態で・・卵胞の中に分泌されてきます。そのP4のタイミングが凄く大事なんです。

 

 

(B)のDr.は、難治性の患者さんを診ているので、卵胞が大きくなるスピードがバラバラの人ばかり見ています。

卵を育てている時に、LHがだいぶ早めに上昇すれば・・LH↑ ⇒P4↑ のバトン・リレーが早く行われすぎて

子宮内膜が受精卵を受けれるタイミングがズレてしまいます。 新鮮胚移植やAIHやタイミングでは致命的になります。

ただ、普通の患者さんだったら そこまでシビアに考えなくてもいいのですが・・難治性の場合はやはり基礎体温が上昇してきたら

患者さんが行動をする必要がある場合もあります。Dr.との内診日を電話して前倒しにするなどです。

 

 

 

 

この記事のテーマは、「高温期だけではない黄体機能不全」です。

 

結論を最初に言うと・・卵胞期(低温期)や排卵期にも黄体機能不全は起こっているという話です。

 

少し前の時代には、主治医の先生に「黄体機能不全」と言われたという人が本当に多かったですが、

今は”裾野が広くなった”の昔程 その言葉が言われなくなりました。

 

 

患者さんの立場から言うと、もし不妊治療がよくわからない状態で、ベテランの先生から「あなたは黄体機能不全です」と言われたら

「ああ!私は黄体機能不全なんだ・・。不妊の原因が判明してよかった」と思ってしまうと思います。

 

 

また、着床期のP<10は黄体機能だとか、高温期は何日が・・とかあまり言われなくなりました。

それは・・P4(黄体ホルモン)が排卵期(主に後半)・排卵期・黄体期に全般にパンチが利いていることを意味します。

 

黄体ホルモンは、その3つのどこにでもいます。 ここはきっちりと抑えておいて下さい。高温期だけに黄体ホルモンは存在する訳で

なく、黄体ホルモンが与えられた仕事ができないと全部!が黄体機能不全になってしまいます。

 

★ 黄体ホルモンの働きってなんでしょうか?

  不妊治療の勉強をネットや本でした人は、「姙娠ホルモン」と呼ばれるP4は、着床期の子宮内膜をふかふかのベッドにします。

  E2(卵胞ホルモン)と協力して、高温期を維持します。と習ったと思います。

 

  黄体ホルモンは次の3つのとても大切な仕事もしています。【機能的黄体化】

   1)卵子をしっかり成熟させる

   2)卵胞の膜をパリっとやぶる (排卵を誘発するLHとは違った働きです)

   3)高温期の子宮内膜は、陣痛の時の時のように子宮が動かせようとするE2にブレーキをかけて落ち着かせる働きがあるので

       それによって、着床を促す。

  

 

また、妊娠ホルモンと呼ばれる黄体ホルモンですが、その言葉の優しい響きを持つ反面、

厳しい条件を出してくるのも、また黄体ホルモンです。

 

 

Q: 4つほど・・質問していいですか?

Q: 採卵にむけて 卵がうまく育たない これは黄体機能不全ですか?

 

Q: D3の採血はバランスがいいと言われているのに・・排卵誘発の注射がうまく効かない、これは?

 

Q: 年齢が高くなってきたら、卵胞期で早期黄体化の話をされて、へんな時にP4が上昇している。これは黄体機能不全ですか?

 

Q: なんか低温期に血流が悪くて・・ これはどうですか?

 

 

 そして、自分でも考えてみて下さい。

  実は全て 黄体機能不全と括りになってしまいます。

 

 

 

 


◆黄体機能不全を3つフェーズから見る

 

高温期のP4の分泌(P>10ng/ml)は

正常、E2も正常だのに、子宮内膜の卵を着床させる準備(応答性)が出来ていないというケースを、

 

黄体不全に含めるか?含めるか?については

意見が別れています。

 

 

それ(下図の黄体期の項目)を踏まえて絵をみてください。

 

    さきほど、低温期に血流が悪くて・・・?これは「黄体機能不全」ですか?と質問しましたが

 

    答えを 下の円で見て見ましょう。 1回転して28日の生理周期を示しています。

 

 

 

 

 

【絵の説明1】

 

     時系列(生理中 → 卵胞の成長  → LHサージ → 排卵 →  高温期 )の流れと

 

     黄体機能の”原因”だろうと思われるものを ホルモンの要因、卵巣の要因、子宮の要因と色分けをしています。

 

     これらの原因が引き金になって黄体機能がそこなわれてゆきます。

 

     この円を別のみかたをしてみると

 

     上記の円の3ブロック全てに、黄体ホルモンが絡んでいると。

 

     別の言葉に入れ替えてみると、低温期・排卵期・高温期 全部に渡って「姙娠ホルモン」と呼ばれるP4が絡んでいる。

 

 

     人が姙娠するのは、こんなにも難しいように神様はお作りになったのです。

 

     この図からも、姙娠のキーマンは、「黄体ホルモン」といえるということです。

 

     そして姙娠を難しくしてしまうのも、難治度を一気に高めてしまうのも また黄体ホルモンです。

 

 

     黄体ホルモンは単品では何の仕事もしません。 黄体ホルモン受容体という鍵穴にPがハマってから

 

     RNAの転写が行われて何か作用が動くます。作用とは、上記に円にあげた全てです。

 

     P4チェックと言う、高温期のP4の血中濃度がいくつだ?と測定してもも それがP4の作用を保証する物ではないです。

 

     だから、最近は昔ほど高温期のP4測定をしなくりました。

 

 

     皆様がネットをみて、うちの主治医の先生はP4チェックをしない!と思うのは間違いで

   

     その先生は・・あまり意味がないから患者さんに採血料をかけてまで不確定な検査をしていないということです。

 

     忙しくて説明までしていないから・・その先生は誤解を受けてしまいますが、それが最新の考えというみかたもあります。

 

【図の説明2】 

 

    Q:排卵期のトラブルで・・なぜ「早期黄体化」が黄体機能不全を誘導するのか?

 

    A:高齢女性の卵子成熟を考えるあたって、卵胞が大きくなったからと言っても卵胞の中の「卵子の成熟」が順調か?は

 

      免罪符にはなりません。 卵子を成熟させるのはLH上昇とそれに連動してくるP4の上昇によって卵子は成熟します。

 

     排卵していないので、卵胞は卵子をかかえたままの状態で、卵胞の顆粒膜細胞が機能的のみ!黄体し始めて卵子は成熟。

 

     この機能的黄体化は、以下の図を参考してもらうとわかると思います。

     

      

 

        LHサージを受けて、顆粒膜細胞が「黄体化顆粒膜細胞」に変化します。

 

        卵胞液の中にはE2(エストラジオール)だけで分泌されるのではさまざまなモノが分泌されます。

 

         ●E2、●P4(黄体ホルモン)●PG(プロスタグランディン)●コルチゾール

 

           ●PGの産生過程から生じる「活性酸素」 

 

         ●IGF-Ⅰ(インスリン様増殖因子) ⇒ FSHサージを関連が深い(LHサージに遅れてFSHの波もやってくる)

                   

                          血糖値コントロールがうまくいかないとこのFSHの波に乗れないです。

 

                          FSHの波はE2とP4と協力的に卵胞細胞(図の黒丸の部分)にLH受容体を

 

                          形成させます。 良い卵子を採るために糖質制限がある程度必要なのは

 

                          LHサージが弱くなるというよりもFSHサージが弱くなるので卵子が成熟

 

                          しなくからです。そして糖質制限を過度にかけたら、今度は脂質代謝に

                         

                          歪みが生じ、良いE2やP4が産生されなくる。 またタンパク代謝にも

  

                          連動して歪みが生じるので、消化酵素がうまくつくれなくなるから

 

                          「活性酸素」の好き放題の世界になります。

 

          これらの卵胞の中の成分はメインの登場人物ですがそれ以外にももちろんあります。

                           

 

        【卵胞の中の成分のバランス】

 

                         排卵前後は、卵子の減数分裂の進行過程と重なる為、染色体の不分離が

                         

                         一番生じやすいナーバスな時です。

     

                         高タンパクの食事をとる必要があるのはなぜでしょうか?!

 

                         卵子の成熟(GV⇒MⅠ⇒MⅡの成長過程)を心配されながら採卵に向かう人が

 

                         ほぼ100%です。そうした卵子の発達過程では減数分裂再開に必要な

 

                         タンパク質や、直ちにタンパク質に翻訳されない母性mRNAも蓄積されることが

                

                         必要です。減数分裂の「リ・スタート」のエンジンをかける為には

 

                         再開に必要なタンパク質が不足していたら、再開できない。

 

                

                         減数分裂が止まっている状態は、強烈な抑制機構が存在しているので

 

                         その抑制機構の支配下からの「解除」のキーである特別な刺激が必要です。

 

 

                         それらをバランスよく卵胞内の様々な成分が役割分担をしています。

 

 

                         そして解除のキーを得たら、卵胞液成分や顆粒膜分泌因子の受けた卵丘細胞が

 

                         卵にcAMP量を増大させて、減数分裂ロックの「解除」させる。

 

 

 

         以上のような遺伝子の発現というゲノムレベルの話が、「排卵の話」になります。

 

         つまり、 「良い排卵」と「悪い排卵」が存在するということです。

         それは高温期になって基礎体温が上昇したから排卵したとは判断もできず

 

         LHサージが弱くてずるずる基礎体温が上昇してやっと高温期になったから、高温期(黄体機能)が心配という

 

         世界でもないです。

 

 

         一般に言われてるように生理周期は連続しているから前周期の高温期は大事!という言葉には

 

         その行間に、さまざまなことが隠れています。 

 

         それを次のイラストでみてゆきましょう。

 

                          


黄体機能不全のケーススタディー①

 

  上述した黄体機能不全の3ブロック(低温期・排卵期・高温期)がいかにつながっているか?ケーススタディでみてみましょう。

 

  全部を説明するとぼやけるので 排卵期にフォーカスしてみます。染色体異常の発生POINTだからです。

 

  排卵期でよい排卵をするか?悪い排卵をするか?によって成績が変わってくる

 

  「自然周期、 新鮮胚移植(採卵後・・胚盤胞になるまで外部で培養してから移植)」で考えてみましょう。

 

  

   

 

   【図の説明】

   

   2周期連続した「生理周期」と 「正常な黄体機能」を比較してみてください。

 

   P4の部分は「YELLO」 ⊿❏で書いています。 P4活性が切れるとストンと落ちます。

 

   全周期は排卵はしっかりとしていたが、高温期で早めにP4活性が切れて、E2のみになり生理がずるずると伸びるグラフです。

 

   生理が伸びたから、翌周期の移植にマイナスになる訳ではなく、

 

   E2だけが伸びた原因、P4活性が切れて原因を探ることが大事です。 ※カンファレンスではここも分析してゆきます。

 

   男性ホルモン(アンドロゲン受容体)とか脂肪代謝とかそういう話になります。 

 

   特に通常のE2産生メカニズムからズレて、イレギュラーなE2産生におちいった時に、図のようにE2の棒グラフが伸びます。

 

     ・薬剤 ・サプリメント ・偏った食事 でも イレギュラーなE2産生は起こり、 

 

      採卵だったら卵胞経とE2血中濃度にズレが生じます。その結果、卵子の成熟にも影響ができてます。

 

 

  図の今周期は、「自然周期 採卵+新鮮胚移植(胚盤胞)」です。

 

     これは高齢妊活者の方が良くある例を書いています。

 

     早期のLHサージ ⇒ 早期黄体化 ⇒ 機能的黄体化のタイミングの狂い ⇒卵子成熟のアクセルの甘さ

 

     ⇒ 排卵後のP4の産生(内因性)の緩さ  

 

     ⇒ 早期黄体化によって子宮内膜が早めに胚受容時期を迎えて、胚盤胞を新鮮胚移植した時は着床の「旬」を逃す

 

     ⇒ 着床の窓のズレ

 

     ⇒ 【子宮の問題】赤ちゃんになる卵でも、ズレによって「化学流産(ケミカル)」で終わってしまう

 

       または、

 

       【卵の問題】 機能的黄体化がしっかりとできなかった為、採卵前の卵胞内において

 

              COC(=卵・卵丘細胞複合体)が、卵胞の内側の「卵胞壁」からきれいに剥がれずに

 

              採卵しても変性卵・空胞に終わってしまう。

 

              あるいは・・ COCにLH受容体の発現が少ないのでGVやMⅠで採卵してもMⅡ化せずに

 

              受精ステージまでいけない。移植もキャンセルになる。

 

   すごく極端な例を書きましたが、

 

   このように黄体機能不全は高温期だけでなく、低温期・排卵期・黄体期に渡って原因を広げてます。

 

 

   それぞれの周期で何が必要か?考えることが大事になります。 

 

   それはネットで他人の妊娠に効いたから私も取り入れてみようかな?という「他人視線」では難しいので

 

   主治医との医療コミュニケ-ションと、数値にあわせた栄養管理・サプリ管理・運動・睡眠の両軸が必要です。

 

   そして、その両軸を支えるBODYワークが、メンタルになります。

 

    


黄体機能不全のケーススタディー②

高プロラクチン・甲状腺低下症   /  排卵障害・着床障害

 

排卵がいかに大切か?を話してきましたが、高プロ(高プロクチン血症)も排卵障害になりえます。潜在的高プロと橋本病は

 

日本人には多い疾患です。定期的な検査を受けましょう。 PRLとTSHは関連性があるからです。

 

高プロは、甲状腺障害(甲状腺機能低下症)が原因になる場合あるからです。橋本病というとつい流産や着床不全(子宮の問題)を

 

イメージしがちですが、 橋本病⇒高プロ⇒排卵障害 ⇒ 黄体機能不全〈高温期〉 ⇒ 着床不全     (子宮の問題)

                           黄体機能不全〈低温期〉 ⇒ 卵胞の成長の問題 (卵の問題) 

                                 〈排卵期〉 ⇒ 卵子の成熟の問題 (卵の問題)

 

 このようにPRLは、 低温期・排卵期・高温期といった3つのフェーズに足を広げます。

 

 FT3・FT4によるTSH(甲状腺刺激ホルモン)への負のフィードバック

 つまり、下垂体からドバドバと出過ぎたTSHをとめるべき蛇口を閉められないと TSH↑ は上昇してして更に上位部位の

 ホルモンであるTRHを介して、PRL(プロクチン)↑↑上昇に転じます。

 

 そして PRLが上がりすぎないように、ここでもブレーキがかかるメカニズムがあります。

 プロラクチンの分泌は視床下部から分泌される「ドーパミン」と呼ばれる物質により抑制を受けています。〈抑制ブレーキ〉

 

 でも!!

 何らかの要因でこの抑制が解除されますと下垂体からのプロラクチン分泌が増加し、乳汁分泌や月経異常を来すようになります。

 ストレスがその引き金になる場合もあります。

 

 女性は、メンタルで排卵障害を引き起こすので、ゆったりとした気持ちでいることも大事です。

 もちろんメンタルだけでないですが・・促進・抑制のブレーキコントロールを司っている視床下部に男性に比べてカンタンに

 アプローチできるという意味です。 

 

 

 興奮性の伝達物質の代表は、ドーパミンやアドレナリンですが、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」は抑制性で伝達物質です。

 

 グリシンやセロトニンは睡眠や卵質(細胞膜の保護)などに関連しています。

 

 このようにストレスは排卵障害はもちろん不眠につながるので、夜は治療のことを考えないようにして下さい。

 

 

 

 

プロラクチン「乳汁分泌ホルモン」

 

【基準値】 3.4~24.1  一般的には15以下が望ましいと言われています。

 

【POINT】妊娠中に高くなるホルモンですが、当然非妊娠時には高すぎても、逆に薬で押さえつけて低すぎていけない。

 

【理由】 さきほどPRLが大量に分泌されると視床下部からのLH-RH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)の分泌が阻害されて

  

     下垂体から、卵胞を大きくさせるFSHの放出を弱め 卵胞は大きくならない。また

      同様に  卵子を成熟させる LHの放出も弱めて 卵子は卵胞の中で成熟しにくなります。

 

     つまり、卵胞は大きくならず、E2も十分に分泌されない為に、LHサージも弱く排卵も起こらなく

     次の生理が来ないという無月経にもなるという話です。

 

【注意】高プロラクチン血症の1/3を占めるのはなに??

 

   下垂体に異常があってプロラクチンの分泌が亢進するで最も多いのが下垂体にプロラクチン産生腫瘍が発生する場合です。

 

   高プロ血症の1/3にあたります。

 

   プロラクチン産生腫瘍は、悪性ではなくて良性腫瘍ですので直接命に関わることはありません。

 

   でもサイズが大きくなると、周りを圧迫して頭痛や視野狭窄、視力低下などを招くようになります。

 

 

 

    また、プロラクチンはTSH(甲状腺刺激ホルモン)により分泌が促進されますので、

 

   先程話したように・・TSHが分泌過剰な状態(高いTSH)、すなわち甲状腺機能低下症でも高くなります。

 

   このように PRLとTSHは相対関係があります。

 

    

 

 

 

 


「体質だから・・」その意味は深い

◆日本人特有のDNA配列がある=「体質」という盲点

 

【日本人特有のDNA配列は、国際ゲノム基準の雛形とは少し違う】

 

この話をする前に・・日本人特有のDNAの配列があります。

「薬が効かなかったり」しても「体質だから・・・」と一括りにされてお茶を濁さざるを得なかった時代から、

個別医療への舵取りが今始まっています。

 

 

今をときめくNGS(短鎖技術による次世代シーケンサー)は、DNAの雛形に付きあせて調べていますが、

その雛形は、2003年のヒト・ゲノム解読完了での国際ゲノム基準です。  

 

そのDNAの雛形は、ヨーロッパ系とアフリカ系の人に由来しており、一般的な日本人に特有のDNAの変化が反映されていませんでした。

そのために本来あるべき違いが検出されなかったり、間検査があったりと問題視されていました。 これが解消されつつあります。

 

 

 

 

映画好きの方ならば、「フォトグラフ51」

(主役:ニコール・キッドマン)

を知っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

DNAの二重らせん構造を、X線回析写真“フォトグラフ51”に収めた彼女が、同僚の男性学者たちに写真データを盗まれてしまい、。

歴史に残る大発見をしておきながらノーベル賞を受賞することなく、38歳という若さで実験でたくさんのX線を浴びて卵巣ガンのため他界した、薄幸な彼女の物語が映画の内容でした。

 

今も・・彼女の功績は、日本人特有のDNA鑑定に息づいています

 



黄体血流がもたらす活性酸素がP4産生を抑制する

 

        黄体期のP4分泌を阻止しようとするのは、活性酸素です。 P4のナイトが銅亜鉛SODです。

 

 

 

退縮期の黄体(白体になりつつある頃)は、活性酸素が黄体細胞のP4分泌に抑制をして細胞死に導きます。

 

黄体血流に乗った「活性酸素」に猛然と歯向かってそれを阻止し、P4の分泌にストップさせないのが「銅亜鉛SOD」です。

 

銅亜鉛SODは、このように高温期においてP4分泌を守るナイトの一人です。 

 

活性酸素サイド

  【卵胞期の後期(D8~D12あたり)】

                     卵胞の中に若干ながらのP4分泌があり、卵子を抱えたまま機能的黄体化が行われるが

                     マイナス面の多い活性酸素の消去酵素である「銅亜鉛SOD」の低下により、微量に必要な

                     P4の上昇を妨げてしまう。⇒先ほどのイラスト1(機能的黄体化)参照

 

                     排卵期は、血流が一番必要になる。

                     血流が障害されると、血流の低下によって発生する活性酸素が増大する。

                     この時に卵子は減数分裂をしている最中なので、活性酸素のより染色体異常の発生比率は

                     増える。

 

  【高温期、特に着床期】

                     上記の同じメカニズムにより、排卵後の黄体から本格的にP4分泌があっても

                     活性酸素が増加した子宮内膜において

                     活性酸素の消去酵素である「銅亜鉛SOD」の低下により、P4の上昇を妨げてしまう。

 

   

                     この着床期の子宮内膜の変化が鍵です。⇒子宮内膜の前脱落膜化

 

                     子宮内膜変化の異常(=子宮内膜機能不全)も含めて黄体機能不全(広義)が起こらない

                     様に、子宮内膜は厚みを更にまして血管がから子宮内膜表面を遠ざけ

                     更に、シンクロしてきた胚をP4の黄体機能によって・・子宮内に浸潤させます。

                     

                     文字通りP4のチカラによって子宮内膜の奥に引き込みます。

 

                     そしてP4だけでなく、E2のチカラも借りて二人で共同してなった子宮内膜の環境を

                     絶妙なるE2/P4バランスで維持してゆきます。

 

 

血流サイド:子宮内膜変化時期

 

                    着床期、子宮内膜が今までの増殖期から分泌期へのダイナミックに変化を遂げようとする時

                    様々な抗体たちが、受精卵を着床させないように寄ってきます。

                    活性酸素も血流に乗ってやってきます。

 

                    そのダイナミックさの中で・・胚の成長スピードと子宮内膜のその変化が起こった中で

                    いっきに子宮内膜の奥に引き込む為に、子宮は低酸素環境を作り出します。

                    そうでないとP4は働かないからです。

 

                    着床期! 子宮内膜の血流を一気に落として活性酸素たちの動きを止めてきます。

                    子宮内膜は、その時に血流を嫌う訳です。

                    酸素を運んでくる血流を嫌うメカニズムがあります